あれもこれも「ハラスメント」?

世の中にハラスメントが言葉として氾濫している。現在、「パワハラ」をはじめ「スメハラ」「ヌーハラ」など39種類もあるそうだ。ゼネコンで長年働く友人は先日、社内研修で管理職向けパワハラ動画を観た。職場内での何気ない言動も、相手が嫌だと感じたらアウトになる。

▼そうした常識は理解していたが改めて衝撃と恐怖を感じたそうだ。対処法は社内で仕事以外の話をしない、自他のプライバシーを守り、職場外でかかわらない、社内飲み会も参加しない事。だが「そんな事が可能か」と件の彼は頭を抱えていた。

▼ハラスメントは許されないし、弱者は救済されるべきだ。だが「逆パワハラ」のように声高に主張する弱者が強者にしか見えないことも少なくない。言葉遊びのようなハラスメント流行りはいただけない。

▼コロナによる社会変化で人と人との距離感はますます離れつつある。業界においても個食化傾向が強まっているが、昭和生まれのオジサンとしては、たまの飲食の場くらい仲間で和気藹々と楽しみたいものだ。ああ、これもパワハラになってしまうのかな。