食品輸出実務と実践塾 Eラーニング開始に向けて⑦ 食添の海外対応

海外輸出と言えば、「どうやって営業するか」に関心が集まりがちだが、食品添加物の海外対応に取り組まない限り、輸出事業の先はない。国内では現在、800以上の食品添加物が認められている。海外の主要18か国/地域の平均は200程度と日本の4分の1だ。したがって日本で使用が認められている多くの食品添加物は、海外で使用できない。そのため日本の加工食品の多くは、例外ルールや運用ルールが特殊な香港、シンガポール、マレーシアに輸出される。またコンプライアンス違反を承知で、裏ルートからディストリビューターに販売する。

経営者が品質管理や食品添加物の海外対応の重要性を無視しているのに、海外営業担当に販売実績を上げることを強いる企業があるとしたらパワハラ以外の何物でもない。

食品添加物は、Codexの食品添加物管理番号であるINS番号で管理される。英国圏やEUエリアではE番号で管理されている。海外のメーカーは自社ラボで食品添加物を調合し商品開発する。INS番号で管理しているので、いつでも情報開示できる。

日本は特殊だ。食品添加物メーカーや食品添加物卸の商品開発レベルが高いので、食品メーカーは丸投げしてしまう。その結果、食品添加物を自社管理していない。輸出商社やディストリビューターからINS番号の開示を求められても対応できない。また食品添加物メーカーも自社のノウハウを簡単には開示しないので、海外輸出の際の障壁の一つとなる。私が輸出支援をする際は、添加物メーカーが情報開示に消極的な場合、仕入れ先の変更を直ちに提案する。

本格的に海外に展開している食品大手は、グローバルな食品添加物対応ができる品質管理担当者をすでに育成している。食品添加物の海外対応をするため経営層が品質管理担当者と連携しながら陣頭指揮を執っている。

そうでない企業は、食品添加物の日本と海外の使用ルールの違いから学ぶ必要がある。食品添加物を使用するならINS番号でどの国でなら認可されているか確認する。これは品質管理担当者の仕事だ。

品質管理担当者に食品添加物の海外の事情を勉強させ食品添加物の海外対応を開始しないと、いつまでたっても何も変わらず輸出事業も海外事業も失敗に終わる。