三菱食品はこのほど、家庭料理の配達サービス「つくりおき.jp」を提供するAntway(東京都千代田区、前島恵社長)と包括的業務提携を締結した。
Antwayは「あらゆる家庭から義務をなくす」をミッションに掲げ、高品質な家庭料理をサブスクリプション型で家庭に届ける事業を展開。「つくりおき.jp」は調理経験豊富なシェフと管理栄養士が監修し、専用キッチンで手作りした惣菜を冷蔵で毎週家庭に届ける宅食サービスで、現在1千レシピ以上の料理を週替わりで提供、1食当たり700円台(5食プラン749円)で共働き世帯を中心に支持を獲得している。20年2月に都内4区からサービスを開始し、対象エリアを拡大。今年5月には全国26都道府県への大幅なサービスエリア拡大を実現した。
三菱食品では、Antwayの社会課題解決を重視した経営方針に共感するとともに、人口減少社会における生活者のペインポイントを直接的に解消する提供機能を高く評価。23年5月にAntwayが実施したシリーズCの資金調達ラウンドにて、第三者割当増資により発行された株式の一部を引き受けるとともに、包括的業務提携を締結。両社がそれぞれの強みを掛け合わせ、新たな提供価値を共創するため、多方面での連携を強化する。
包括的業務提携の概要は、
①両社の食材受発注システムの高度化に向けた相互支援
②三菱食品の機能・知見提供による「つくりおき.jp」の物流・決済コスト削減支援
③Antwayの保有データ提供による三菱食品の機能向上支援
三菱食品の佐藤達也・執行役員フードサービス本部長は「社会構造の変化を伴う食の提供手段の多様化が進むなか、Antwayは共働き世帯が抱える社会課題の一つである家事の負担をサブスクリプション型惣菜宅配サービスでの解決を目指しており、このコンセプトと事業将来性に期待している。三菱食品が食品卸として培ってきたノウハウ・知見をミックスすることで、さらなる事業成長と社会への提供価値の向上につなげ、より多くのお客様にサービスをお届けできるよう支援する」とコメントした。
なお、三菱食品ではスタートアップ企業との連携推進を目的に、22年度から社長直下組織に関連機能を補強し、スタートアップ企業やベンチャーキャピタルとの連携を強化。今回のAntwayとの取り組みが、スタートアップ企業との協業・連携施策の初号案件となる。同社では、将来性のあるスタートアップ企業に対し、三菱食品の機能・アセットを積極的に提供し、新たな価値創造につなげる方針を示した。