「舞台芸術」から「食」へ

この3年はチケットを予約しては公演中止が相次いだが、ここにきてようやく大好きなバレエやオペラなど舞台芸術を安心して楽しめるようになった。気分が乗ったので「起承転々 怒っている人、集まれ」(佐々木忠次著)を読み返した。

▼佐々木氏は東京バレエ団創始者のオペラ&バレエプロデューサーだった人で、存命中は文化行政の問題点を批判し続けた。モットーは「諦めるな、逃げるな、媚びるな」。日本国からの叙勲は死後をも拒否した反骨は理解できるが、物事を老獪に進めることなく官僚に歯を剝き続けた。その結果、舞台芸術の立ち位置は氏が思い描いていた形にならなかったと感じる。

▼舞台芸術は文化だが、社会の余裕の産物であり娯楽。残念だが、愛好家でなければ観なくても人は生きていける。一方、食もまた文化だが、人は食なしに生きていけない。

▼SDGsの考え方が後押しして、有機食品や代替肉、エシカル食品が注目を集めているが、これらは現段階では舞台芸術に過ぎない。食として成立するのかどうかは今後の進捗次第なのだろう。

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