お茶の伊藤園が高齢社会の課題解決に向けて参入する新たな領域とは?【PR】

伊藤園は、新たなニーズの取り込みをねらいお茶で培った独自の強みを活かした製品開発に力を入れており、高齢社会の課題解決に向けたユーザーの獲得に動いている。

それら製品の販路拡大を担うのは、広域流通営業本部業務用営業推進部に新設された医療・介護チャネル向けの営業に特化した業務用営業推進四課。四課は同部に所属となった久保田敦之さんが高齢者向け食品への参入を経営層に向けて提案して立ち上げた組織で、既に新製品2品を開発・発売して動き出している。

STILL NOWの精神で開発

「当時担当をしていたお取引先である病院や介護ケア施設からよく言われていた“おいしく飲める介護向け製品をつくってほしい”とのお声にお応えすべく、STILL NOWの精神のもとで、何かお役立ちしたいと考えた」と久保田さんは振り返る。

STILL NOWの精神とは「お客様第一主義」を実践するための伊藤園の考え方の基本で「今でもなお、お客様は何を不満に思っているか」という問題意識を常に持ち続けることを意味する。

伊藤園の強みの1つに全国180以上ある営業拠点で展開する地域密着型営業がある。伊藤園は設立以来独自体制として、社員自らが食品スーパーや自販機を直接フォローする営業スタイルを構築し、そのため顧客からの意見もダイレクトに汲み取りやすくなっている。

病院や介護ケア施設からの意見への対応が、医療・介護チャネルなどにおける社会課題解決に向けた製品開発のきっかけとなり、そのポイントは誰もが感じるおいしさや利便性にある。

「今まで世の中にあった高齢者向け製品は、おいしさの要素より、どちらかというと機能性が優先されている。我々はお茶屋なので、水分補給という機能価値に留まらず、ご家族でも楽しめるおいしさやお客様の笑顔に重きを置いて展開していく」と語る。

数年かけて開発に試行錯誤を繰り返し、機能とおいしさを追求し、200回以上の試作を経て2022年11月に新発売されたのが、とろみ付き緑茶飲料の「とろり緑茶」(1L)。

https://www.itoen.jp/torori/

同製品は水分補給の機能価値に加えて、寒天などの原料の組み合わせと茶葉の選定によって「とろみに負けない緑茶本来の味と、時間が経っても変色しにくく、色鮮やかな緑色」を実現したカフェイン少なめ(※1)の製品となる。

(※1)「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のせん茶浸出液比

医療・介護現場において、人手不足の中、飲み物にとろみ剤を入れてとろみを付ける際に生じる“均質にならずダマになりやすい”“手間や時間がかかる”といった点に着目した。

この不満点を解消すべく「とろり緑茶」は、予めとろみが付いているため、とろみ付け作業が不要で、時間が経ってもダマにならない均質なとろみを維持できるようになっている。

これにより「介護の現場を訪れると、とろみ付けがマニュアル化されているところもあれば、そうでないところもある。マニュアル通りにやっても、とろみ付けにムラがあったりダマができたりと難しさがあり、準備や作業に時間もかかる」といった医療・介護現場の課題解決にも貢献していく。

3月開催された介護業界展示会「ケアテックス東京」で「とろり緑茶」と「なめらか玄米ミルク プラス6大栄養素」をアピールする伊藤園の広域流通営業本部業務用営業推進部業務用営業推進四課の久保田敦之課長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
3月開催された介護業界展示会「ケアテックス東京」で「とろり緑茶」と「なめらか玄米ミルク プラス6大栄養素」をアピールする伊藤園の広域流通営業本部業務用営業推進部業務用営業推進四課の久保田敦之課長

「ばらつきのないとろみ付けは難しい」医療現場の声

実際、医療現場では、とろみを付ける作業は難しく、時間が割かれるため負担になっている施設もあるという。

埼玉精神神経センターで利用者の食の最前線に立つ管理栄養士の関口礼子さんは「とろみ付けはやはり人がやることなので、その時々で粘度が変わってきてしまう」と語る。

同センターには、利用者のニーズに応じて複数のとろみ剤を用意しているが、それらを使ってお茶をつくろうとすると「お茶の濃さや温度により変わってしまう。“スプーンでこれくらいの量にして下さい”と決めても、なかなか標準化されず、病棟からは“今日は水っぽかった”とか“ダマがあった”といった報告が時々あり悩みとなっている」と述べる。

その点、「とろり緑茶」は悩みを解消でき、さらに「お茶の香りがしっかり感じられる」と評する。

関口さんは訪問して栄養指導する際、とろみ付けの悩みは在宅介護の現場でもあることを指摘。「在宅では『とろり緑茶』のような製品はもっと必要とされると思う。ご高齢の方がとろみ付けをするのはとても大変。在宅でお困りの方に薦めていきたいし、逆に薦められる製品がやっと出てきた」と続ける。

管理栄養士で社会福祉法人シナプス埼玉精神神経センター栄養部の関口礼子係長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
管理栄養士で社会福祉法人シナプス埼玉精神神経センター栄養部の関口礼子係長

「とろり緑茶」の開発には、『東京大学医学系研究科星和人教授・米永一理特任准教授らによる「イートロス医学講座」』との共同研究の成果を利用。

具体的には「イートロス医学講座では先生方が現場からの知見や幅広くデータを取られていて、今回の例では、実際にとろみ付けを行っている方のお困りごとやご不満点のデータを頂いたり、商品設計の目指すべき姿について知見を頂いたりした」(伊藤園・久保田さん)という。

同講座は、伊藤園が2020年に産学連携の講座として、東京大学大学院医学系研究科に開設し、共同研究を行っている。

左から東京大学医学系研究科の星和人教授と米永一理特任准教授 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から東京大学医学系研究科の星和人教授と米永一理特任准教授

“誰でも手軽においしく”がポイント

食べづらい、飲み込みづらくなることで引き起こされる低栄養が悪循環の一因であることにも着目して開発された第二弾製品が「なめらか玄米ミルク プラス6大栄養素」(125ml)で3月6日から発売されている。

同製品は、小容量で1本150kcal、不足しがちな食物繊維5gをはじめ、たんぱく質・脂質・糖質・ミネラル(※2)・ビタミン(※3)がバランスよく摂れることに加えて、健康性とおいしさを打ち出した点が特徴となっている。

(※2)ミネラル(9種):ナトリウム、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、リン、塩素

(※3)ビタミン(12種):ナイアシン、パントテン酸、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸

「おいしさや見せ方を工夫しており、栄養成分の補給食品としてご活用いただきたい」と説明する。

味わいは、焙煎した玄米を使用することで後味にスイーツのような甘く香ばしい味わいを付与。

パッケージは機能感ではなく、玄米の素材感をイメージし、おいしさと健康感を共存させたデザインを採用している。

「『とろり緑茶』を含めて、いつでも、誰でも手軽においしく飲んでいただける。そういう点で『なめらか玄米ミルク』がスーパー・量販店の日配売場に導入していただいた意味は大きい。要介護予備軍も多く、栄養不足が気になる多くの方に飲んでいただきたい」とアピールする。

このような“誰でも手軽においしく”の必要性を訴えるのは、前出の管理栄養士の関口さん。

「“薬っぽくない”というのは物凄く大事。我々の施設には精神科もあり、精神科の利用者は比較的摂食に問題のない方が多く、そういう方たちにとっておいしさは大切。時々、牛乳の替わりに切り替えてあげれば、楽しみが増えるはず」と指摘する。

このような見方から「なめらか玄米ミルク」については「施設で“おやつ”として出すのに適している。日本人はそもそもたんぱく質の摂取量が少なく、サルコペニアやフレイルへの対策としても、こういうもので手軽に補ってもらいたい」と推奨する。

今後の活動としては、多くの生活者に製品を知ってもらい飲用を促すべく、展示会や学会でアピールの場を設け、介護・医療関係者の方々を介した製品価値の認知拡大と伝達に注力していく。

「とろり緑茶」と「なめらか玄米ミルク」を通じて、お客様の豊かな生活に貢献するとともに、高齢者や介護従事者、管理栄養士などからの要望や悩みにお応えする製品をお届けしていきたいとしている。

これらにより、お客様の健康で豊かな生活と持続可能な社会に貢献する「健康創造企業」として、日常の食生活を彩り、いつでも手軽に飲める健康性とおいしさにこだわり、医療・介護現場などでの作業省力化にも貢献し、新たな価値創造に挑戦していくとしている。

「なめらか玄米ミルク プラス6大栄養素」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「なめらか玄米ミルク プラス6大栄養素」
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