リーダーとしての役割を

例年より暖かい3月は桜の開花を早め、人々は外に出始めた。しばらく目にすることのなかった外国人観光客の姿も目立つようになった。これから迎える本格的な行楽シーズンへ向け、観光地では期待が高まる。ただ、例外もある。

▼来月開かれるG7サミットを受け、広島県廿日市市は宮島への観光客の訪問を規制すると発表した。週末を含む休業要請に、ホテルや店舗には落胆が広がる。

▼主会場となる広島市やその周辺では大規模な交通規制が敷かれ、物流が停滞するのは想像に難くない。食品メーカーに尋ねると、工場の稼働が難しいため生産シフトを組み直すのに苦心していると困り顔。それでも「これを機に、世界から広島を訪れる人が増えればうれしい」と前向きな期待も示す。

▼もっと大事なことがある。戦争のさなか、核攻撃さえ示唆される今、被爆地に世界の指導者が集まる意義は大きい。戦地ウクライナに宮島の「必勝しゃもじ」を持参し、その思慮分別の浅薄さを指摘された岸田総理には、議長国のリーダーとしての役割をきちんと果たしてもらいたい。

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