抽出後のコーヒー粉が「あられ」に再生 オイシックスとプロントの共同開発で初の食品化

オイシックス・ラ・大地は、東京都内のプロント約10店舗から出るコーヒーグラウンズ(抽出後のコーヒー粉)を回収し、「あられ」に生まれ変わらせた。2月23日、プロントコーポレーションと共同開発した「あられ」2種を発売した。

プロントでは、チェーン全店から一日に約2トン、年間でおよそ730トンのコーヒーグラウンズが排出される。これまでに、コーヒーグラウンズを再利用したオリジナルの植木鉢を販売したり、建材や紙材に活用したりと再資源化に努めてきたが、食品への再生は初。約10店舗で月1トンのコーヒーグラウンズの回収を見込む。

商品化にあたっては、米菓を得意とするありがとう(千葉県柏市)が米との配合をそれぞれ調整しながらサクサクとした食感に仕上げ、今後の製造も担う。
発売前日の試食会でオイシックス・ラ・大地グリーンプロジェクト責任者の東海林園子執行役員は「“洋”と“和”の組み合わせに新しさを感じてもらえたら」と狙いを話す。

左から「コーヒーから生まれた黒糖あられ」と「コーヒーから生まれたチョコあられ」(オイシックス・ラ・大地) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から「コーヒーから生まれた黒糖あられ」と「コーヒーから生まれたチョコあられ」(オイシックス・ラ・大地)

「コーヒーから生まれた黒糖あられ」(税込430円)は、1袋70gあたり15gの食品ロスを削減。「同 チョコあられ」(税込430円)は、1袋50gあたり5gを削減する。2品ともフードロスの課題解決を掲げるブランド「Upcycle by Oisix」のオンライン通販ならびに「CHOOSEBASE SHIBUYA」(東京都渋谷区)と同オンラインストアで販売中。

今後の展開について、東海林氏は「飲食業界全体のフードロスを解決できる食品をどんどん生み出したい」と意欲を見せ、プロントコーポレーション経営企画本部の森谷晋一SDGs推進担当部長は「2弾3弾と考えていきたい」と積極的な姿勢を示した。

今回のプロントとの取り組みに先立ち1月には「Upcycle by Oisix」から、チョーヤ梅酒と共同開発した「梅酒から生まれた しっとりドライフルーツ」(税込538円)を発売した。これは、国内フードロスに占める割合が最も高い「事業系ごみ」のうち、排出量1位の業種である食品製造業と初めて取り組んだもの。
今回は、同2位である外食産業との初取組となった。

なお、コーヒーグラウンズは全日本コーヒー協会が普及啓蒙に取り組んでいる呼称となる。