アサヒ飲料の「届く強さの乳酸菌W(ダブル)」が睡眠サポート食品市場を開拓している。
2022年販売実績は前年比222%の107万ケースとなり過去最高を記録した。
同商品は、1919年の「カルピス」発売以来、100年以上にわたる乳酸菌研究から生まれた「カルピス由来の乳酸菌科学」シリーズの1つで、心理的なストレスを和らげ睡眠の質(眠りの深さ)を高めるのに役立つ機能と腸内環境の改善に役立つ機能があることが報告されているガセリ菌CP2305株を配合した乳性飲料(機能性表示食品)。
好調要因について、7日開催された事業方針説明会で米女太一社長は「睡眠の領域について高い関心が集まったという実態があったと思う。これにはコロナ禍の環境も後押ししたかもしれない。あとは『カルピス』由来の乳性飲料ということで、お客様に安心して飲んでいただけたのではないかとみている」と述べる。
昨年は、睡眠への関心の高まりを背景に、積極的なマーケティング活動とアイテム増が奏功したとみられる。
昨年4月には100mlサイズに加えて、コンビニと自販機で200ml商品を全国発売。200ml商品の乳酸菌の量は100ml商品と同様で、200ml商品は飲み物としてのおいしさを訴求してユーザーの拡大に貢献。飲用シーンもの拡大にも寄与して、中食時や“ながら飲み”などの間食時間帯でも購入されているという。
この手応えを受け、今年は200mlサイズを量販店やECを含む全業態で販売していく。
マーケティング活動としては昨年、ホテルや旅館などへの睡眠サポート提案として期間限定でサンプリングを実施したほか、長澤まさみさんを起用したTVCMの全国放映を実施した。
今年も商品の認知拡大や商品理解の促進に取り組む。
坪野達也執行役員マーケティング本部長は「売場・ホテル・職場で70万人に向けた大規模サンプリングで睡眠体験を創出していく」と意欲をのぞかせる。
なお、富士経済HBフーズマーケティング便覧2022によると、睡眠サポート食品市場は2015年4月の機能性表示食品制度の開始以降、睡眠サポートに関する機能をわかりやすく明記した食品が多く発売されるようになり市場拡大が続いている。
21年は15年比で約18.7倍に拡大。特に20年以降はコロナ禍によるセルフケア意識の高まりで睡眠やストレス対策に注目が集まり21年は前年比175%(市場規模見込み約281億円)と成長が加速している。