みそ 需要創出へ魅力発信 完全栄養食や新発酵フード

みそ業界も喫緊の課題はコストアップ対策で、出荷価格の引き上げ、値締めのほか、コストダウン努力が続けられている。さらに、値上げ後の販売量維持に向けて様々な施策が実施される。既存品の需要喚起に加えてみその新たな魅力を発信し、需要を創出しようとする動きも出ている。

コスト急増を受けて、有力メーカーが続々と価格改定を実施している。過去の値上げでは販売量が減少し、市場規模が一回りシュリンクした。今回も販売減が懸念されるところであり、有力メーカーは様々な施策で需要喚起を図っていく。

トップメーカーのマルコメは今月1日から11月末まで、「みんなで和食、お米を食べよう!レシートキャンペーン」を展開。おこめ券や同社が注力するFD顆粒みそ汁が当たる企画で、11月24日の「和食の日」に絡めて米飯とみそ汁の組み合わせを改めて訴求し、和食回帰を促す。

既存品の需要喚起策とは別に、みその魅力に新たな角度から迫り、需要を創造する動きも出てきた。MISOVATIONは栄養学のアプローチでみそとみそ汁を科学するフードテックカンパニーで、世界初となるみそ汁タイプの完全栄養食をオンラインで展開。

同社は7月22日から8月25日までAKOMEYA TOKYO NEWoMan新宿店にて、「15種具材の完全栄養味噌スープ MISOVATION」を販売した。商品には岩田醸造の「紅一点 天然醸造無添加生みそ」や、カクキューの八丁味噌が使用された。

また、みそ大手のひかり味噌は新たな発酵の魅力を伝えるブランド「ブケリコ」の展開を開始する。第1弾として「ビーン トゥ ミソ」「ディップ アンド スプレッド」を今月27日からブケリコ公式オンラインストアで発売する。

「ビーン トゥ ミソ」は彩り豊かな豆をみそのように発酵させた。「ディップ アンド スプレッド」はみそで調味した豚のリエットとコンビーフだ。自宅でのティータイムや酒を楽しむ夜の時間など、これまでみそが登場しなかったシーンにも自然に溶け込む。

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