10月値上げラッシュ 伊藤園・本庄社長が品質向上と健康訴求商品に意欲 日本茶に若年層が入ってきている動きにも着目

 伊藤園は1日、全国各地から様々な切り口でお茶の魅力を伝える「日本茶の日 お~いお茶大茶会」を開催した。

 全国各地約200店の小売店での推奨販売とオンラインイベントの二本立てで実施。東京スカイツリータウン(東京都墨田区)では女優の中谷美紀さんをゲストに招いたイベントも行われた。

 10月1日は、伊藤園が2002年に制定した「日本茶の日」の記念日。日本茶の日では近年、お茶に馴染みのない若年層との接点拡大を意識して日本茶市場の活性化に取り組んでいる。

東京スカイツリータウンのイベントの1つ。抹茶アート体験で若年層や親子などにアプローチ - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
東京スカイツリータウンのイベントの1つ。抹茶アート体験で若年層や親子などにアプローチ

 今回は、食品業界で今年最大級とされる値上げラッシュのスタートと重なる。
 1日、イベント後に囲み取材に応じた本庄大介社長は「10月から主力の『お~いお茶』をはじめとする飲料の価格改定をさせていただいた。お客様にそれに見合うだけの価値を認めていただけるよう、商品の質を上げていかなければいけない」と気を引き締める。

 価値提案の1つの切り口となる健康訴求商品については「コロナ禍で消費者がより健康を意識されるようになったことから、その気持ちに寄り添った商品開発を行っていく。各社から様々な健康食品や機能性食品が出されているが、我々もそこへ本当に力を入れ来春にはいろいろなものを準備している」と意欲をのぞかせる。

東京スカイツリータウンのイベントの1つ。東京都内の高校・茶道部員による抹茶体験 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
東京スカイツリータウンのイベントの1つ。東京都内の高校・茶道部員による抹茶体験

 日本茶の新たな可能性としては、若年層流入の動きに期待を寄せる。若年層流入には、これまでの伊藤園の活動に加えてコロナ禍の在宅時間の増加が奏功したとみている。

 「ご家族で過ごす時間が長くなりパック茶の売上げが物凄く伸びている。時間的に余裕があるならば“本格的にお茶を淹れて飲みたい”という方が我々の想定以上に多い。非常にポテンシャルが高く、どうやって掘り起こしていくかがこれからの一番の課題」と語る。

 今回のイベントも若年層を意識し世代を超えて楽しめるように工夫が施された。

 オンラインでは、11時から4時間にわたりライブ配信を行い、健康・おいしさ・楽しさ・環境・文化の5つのテーマに、全国各地の茶畑やお茶にゆかりのある場所やお店などを紹介した。

イベントはオンラインとリアルが融合して進められた。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
イベントはオンラインとリアルが融合して進められた。

 一方、東京スカイツリータウンのイベントでは、中谷美紀さんのトークショーほか、ティーバッグのサンプリングや試飲を行い、抹茶・抹茶アート・ほうじ茶づくりなど様々な体験の場も設けられた。

 オンラインでは、11時から4時間にわたりライブ配信を行い、健康・おいしさ・楽しさ・環境・文化の5つのテーマに、全国各地の茶畑やお茶にゆかりのある場所やお店などを紹介した。

 一方、東京スカイツリータウンのイベントでは、中谷美紀さんのトークショーほか、ティーバッグのサンプリングや試飲を行い、抹茶・抹茶アート・ほうじ茶づくりなど様々な体験の場も設けられた。

東京スカイツリータウンの会場の様子 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
東京スカイツリータウンの会場の様子
 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)