スーパーとドラッグストアが融合 九州で新業態展開へ イオングループ

イオングループのイオン九州とウエルシアホールディングスは1日、「イオンウエルシア九州」(本社・福岡市、安部俊也社長)を設立した。ドラッグストアと食品スーパー(SM)によるジョイントベンチャー(JV)は、イオングループとしても初の取り組み。

新会社の事業内容は生鮮・デリカを含む食品および医薬品・化粧品・雑貨の販売、調剤薬局の運営など。資本金は4億5千万円。出資比率はイオン九州51%、ウエルシアホールディングス49%。

「いまの(ままの)SMでは生き残れない」(イオン九州)、「いまの(ままの)ドラッグでは生き残れない」(ウエルシアホールディングス)という危機意識を共有する両社で、地域住民の「ココロ」と「カラダ」に寄り添う「Well―being(ウェルビーング)」をキーワードに調剤薬局併設型のドラッグストアと食品SMが融合したワンストップ型の新業態を開発する。2030年までに新業態200店を出店。売上高1千800億円規模を目指す。

新業態のコンセプトは「ハーフマイル&ワンストップ&ショートタイム」。プロトタイプは店舗面積450坪に、2万7千SKU(ドラッグ1万5千SKU、食品1万2千SKU)を展開。生鮮やデリカを品揃えしたドラッグストアだが、単なるフード&ドラッグではなく、薬剤師や栄養士の知見を生かしたレシピ提案などで差別化を図り地域にとっての「かかりつけのお店」を目指す。

1号店の出店時期やエリアは未定だが、まずは福岡エリアに出店。同エリアで地盤を固めた後、出店エリアを九州全域に拡大する。

九州エリアは、ドラッグストア、ディスカウントストア、大手GMSや地場SMが群雄割拠する激戦区だが、本格的な生鮮やデリカ売場を持つドラッグストア、調剤併設型ドラッグ機能を持つ食品SMを展開することで顧客を囲い込み、競争優位に立つ狙い。新業態が成功した場合、他エリアに水平展開される可能性もあるだけに今後の動向が注目される。

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