カンロ Z世代との共創に着手 未来のキャンディ市場を開拓

カンロは4つの事業を柱に未来のキャンディ市場を開拓していく。7月29日、決算発表に臨んだ三須和泰社長は、今後の方向性について「未来のカンロにつながる施策を行っていく」と意欲をのぞかせる。

「KanroVision2030」の実現に向け、コア事業・デジタルコマース事業・グローバル事業・フューチャーデザイン事業が、この下期さらに具現化され本格稼働する。

コア事業ではZ世代との共創に着手。Z世代とタッグを組むことでキャンディのコアバリューを見つめ、新しいキャンディを創造する。

三須和泰社長(カンロ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
三須和泰社長(カンロ)

三須社長は「Z世代の求めるものを追求することで得られる知見は、マンネリ化している海外のキャンディ市場の活性化においても重要な示唆を与え、当社のグローバル戦略には欠かせない」と語る。

今月にはZ世代の現役高校生との共創プロジェクトをキックオフし、23年度上期には共創商品の発表を予定している。

デジタルコマースの取り組みとしてはWEBサイト「カンロポケット」を通じてチャネルにとらわれない購買体験をグローバルに提供していく。

キャンディの持つ新たな可能性を提案する新ブランド「アメージングカンロ」を始動し、8月30日に第1弾として、満天の星空を閉じ込めたような「ホシフリラムネ」を発売する。

三須社長は「リアル店舗を含めたチャネルをシームレスに行き来できるファンを増やしていきたい」と述べる。

海外市場に対しては、グローバル事業本格展開の足掛かりとして、中国向けオリジナル商品の輸出をスタートする。

老化につながる糖化を気にする傾向や糖尿病患者が世界最多という背景からノンシュガーニーズが高まるとし、キャンディにノンシュガーという機能価値に加え、くつろぎのひと時という情緒価値をプラスした「0糖1刻」ブランドを年内に発売予定。さらには円安を追い風に、米国や東南アジアへの輸出も視野に入れている。

フューチャーデザイン事業では、ヒトツブカンロのサステナブルラインである「ヒトツブカンロearth」を今秋に本格稼働する。

なお、11月10日にカンロは創業110周年を迎えるに当たり、ステークホルダーへの感謝を軸にそれぞれにメッセージを発信し「心がひとつぶ、大きくなる」アクションを実施すると発表した。