日本テトラパックは、このほど「ミネラルウォーター市場での紙容器の展開」をテーマにオンラインによるメディア・ラウンドテーブルを開催し、ミネラルウォーター市場への小型紙容器の国内展開を開始すると発表。再生可能資源の活用によりプラスチック使用量を最小化することをアピールし、新たな選択肢として多様なサイズ・形状の紙容器を提案していく考えを示した。
この中で同社は、「ミネラルウォーターは日本の飲料の15%を占める重要カテゴリー」「毎年平均4%の成長率を見せる有望なカテゴリー」など、日本のミネラルウォーター市場の現状を示した上で「ミネラルウォーターにおいてテトラパック紙容器が貢献できることは中身を守る、持続可能性、輸送効率の良さ、差別化と機能性、コミュニケーションツール」「開けやすいキャップ、ドリームキャップの開栓に要する力はPETボトルの半分」「ロールで充填工場に納入するため輸送効率が良い」と紙容器の特性を強調。プラスチックごみ削減が注目される中で、日本でもミネラルウォーターを検討する企業が増えていると説明した。
国内展開を開始した「テトラ・プリズマ・アセプティック330スクエアドリームキャップ26」は、主に再生可能資源である紙を使用した容器で、手にフィットする持ちやすさ、軽い力で開けられる便利なキャップ、インパクトのある形状が特徴。2013年に初めて日本市場に導入され、現在14社約130製品に採用されているが、ミネラルウォーター類はこれが初めて。三井農林やハバリーズなど複数の国内飲料メーカーへの供給が決まっている。
大型紙容器は「テトラ・ブリック・アセプティック1000スリム」容器でミネラルウォーター類の採用実績があり、今年、所沢市制施行70周年を記念して、所沢市が実施するプラスチックごみ削減に向けた取り組みの一環として「テトラ・ジェミーナ・アセプティック1000リーフ」容器を採用した飲料を販売するなど、紙容器への注目が高まっている。
発表会の中で鍜治葉子執行役員マーケティングディレクターは「既にPETボトルから紙容器へ変更したいとの問い合わせや、紙容器入りのミネラルウォーターを新たに導入したいといった問い合わせをいただいている」と述べ、金井路也サステナビリティ部ディレクターは「世界トップクラスのリサイクル先進国の日本は、プラスチックから紙素材へという動きがさまざまな場面で出ている」と指摘し、積極的に取り組む姿勢を示した。
現在、アルミ付紙パックをリサイクルできる製紙メーカーは全国に点在しており、東京都内ではスーパー7社、生協3社が回収拠点を持ち、小売の店頭回収や自治体等の集団回収がない場所は、2008年からスタートしたテトラパック・リサイクル便で回収に努めている。