13.6 C
Tokyo
13.9 C
Osaka
2025 / 11 / 09 日曜日
English
トップニュース三菱食品 物流慣行是正に注力 発注単位の見直しなど推進
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

三菱食品 物流慣行是正に注力 発注単位の見直しなど推進

三菱食品は物流コストの抑制に向け、業界慣習の是正に取り組む。得意先小売業とともに小口多頻度配送などの行き過ぎたサービスを見直すことで、現代のコスト環境に適した持続可能性の高い物流体制を構築する。既に発注単位の見直しを柱に、得意先との交渉を本格化させている。

先週開示された同社の19年3月期業績は売上高4.3%増(2兆6千203億円)、営業利益0.2%増(167億円)で着地した。コンビニ向けを中心とする総額1千62億円の増収により、売上総利益が増加。RPAの推進による販管費率の改善効果もあり、2期ぶりの営業増益に持ち込んだ格好だ。

しかし、大幅増収に見合う利益水準とは言い難い。経常利益率も引き続き悪化(0.02ポイント減/0.70%)し、目標の1%が遠ざかりつつある。深刻なドライバー不足などを理由に、販管費の5割強を占める物流費が急激に膨張(前期比38億円増)し、粗利と経理業務などの生産性向上効果を食い潰しているのが実情だ。

これを受け、今期はロジスティクス本部など物流系3本部を束ねる新組織「SCM統括」を創設。トップに営業出身の古屋俊樹氏(取締役常務執行役員、兼菓子事業本部長)を置き、物流のコストとサービスレベルの最適化に向け、得意先との交渉を加速させる方針だ。

既に発注単位の見直しと改善効果のシェアを得意先各社に呼びかけており、応じる動きがあるという。卸―小売間では80年代から一貫して配送の小口化が進んできたが、13年頃に顕在化したドライバーと庫内作業員の不足により、この従来型の慣行が重荷になりつつある。「発注単位を1個から3個、3個から6個に変更するだけでも(トータルコストへの影響が)全然違ってくる」(三菱食品社長・森山透氏)という。

同社はこの単位変更を先行させつつ、納品期限の緩和などについても、物流面のコスト改善効果を具体的に検証し、得意先に実施を求めていく考えだ。既にセブン―イレブンやヤオコーが加工食品で3分の1ルールの見直しに動いているが、大手卸の呼びかけで同様の動きが小売各社に広がれば、サプライチェーン全体の物流リスクを抑制できる可能性がある。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点