コメ卸大手・神明グループの無菌包装米飯会社であるウーケは、富山入善工場に第3ラインを完成した。既に2ラインを稼働しており、19年度は工場全体で年間1億食を製造する計画を示す。
同社富山入善工場は、黒部川扇状地湧水群の超軟水を使用し、クリーンスチームを利用した短時間高温殺菌を行うことで添加物不使用の無菌パックご飯を展開してきた。また環境負荷低減のため、工場の空調用に海洋深層水を利用した新しい工場モデルとなっている。10年には業界で初めてSQF2000を取得。海外向けは年間100万食の輸出を狙う。
新工場は敷地面積2万8千137 ㎡、建築面積2千901 ㎡、延床面積3千503 ㎡、鉄骨造り2階建て、製造能力毎時7千200食、投資額約33億円(建物、製造設備含む)、従業員数30人程度。着工は18年4月、竣工は19年3月15日、生産開始は19年4月1日。
4月13日、招待者108人を神事に招き、その後祝賀会を開催した。ウーケの舩木秀邦社長は「当社は07年の創業から12年、工場稼働から10年が経過した。無菌米飯市場は消費の高まりから年々拡大し、当社も18年度売上高は51億円、出荷食数は8千220万食となり、過去最高を記録した。海外輸出も40万食を超え、社員数は100人以上に成長している。一部には生産が追い付かず、お客さまにご迷惑をおかけしてきた。新工場稼働により、最大で年1億2千万食の生産能力となり、無菌包装米飯業界への貢献も可能になった。他社は年3億食と聞くので、当社はあと5ラインが必要となるが、いずれにしても当社は完全無添加の商品を実現する工場が大きな武器となっており、今後、もっと伸びしろの大きい会社として挑戦し続けていく」とあいさつ。
神明ホールディングスの藤尾益雄社長は「ウーケは私が神明の社長に就任して初めて取り組んだ精米以外の事業であり、思い入れも深い。社名の由来も、神明が伊勢神宮内宮の五穀豊穣の神である天照大神の別称からきており、その食を司る豊受大神の受の文字をとって名付けたほどである。09年に工場を稼働したが、4年目にして黒字に転換することができた。13年に第2ラインを周囲の反対を押し切って竣工し、これで終わりと思いきや、もっとほしいという。10年目にして3ライン目が完成した。私は常々オンリーワンよりナンバーワンを言い続けており、今後も力を入れていく」と意気込みを語っている。