片岡物産は1杯型ドリップコーヒーのパイオニア「モンカフェ」の主力4品を刷新するとともに需要期の11月から12月に堀田茜さんを継続起用した新TVCMを放映して需要を喚起して好調を維持していく。
インテージSRI+ドリップコーヒー1-7月推計販売規模(金額)によると、前年同期比15.6%増を記録した。
一方、コーヒー豆など原材料価格の高騰が続き収益を圧迫。高まるコストを吸収すべく9月1日の出荷分から「モンカフェ」全商品で約22~47%の上昇幅で価格改定を実施した。
価格改定による消費減退を回避して好調を維持すべく、それぞれのブレンドの香味特長をよりはっきりと表現できる上質な原料を用いて品質向上にも取り組む。
今回、リニューアルの対象となるのは「プレミアム ブレンド」(8袋入)「キリマンジャロ ブレンド」(同)「京都 ブレンド」(同)「モカ ブレンド」(同)の主力4品。
「プレミアム ブレンド」と「キリマンジャロ ブレンド」には上質なコロンビア豆を、「京都 ブレンド」と「モカ ブレンド」には上質なエチオピア豆をそれぞれ新たに使用する。
「キリマンジャロ ブレンド」はタンザニア豆の配合量も増やした。
上質なコロンビア豆は明るい印象の芳醇な酸味と奥行きのある味わい、上質なエチオピア豆は果実のような甘い余韻と奥行きのある味わいが特徴。ともに同社のコーヒー鑑定士が厳選した。

この秋冬の「バラエティパック」(10袋入)には、「プレミアム ブレンド」「京都 ブレンド」「モカ ブレンド」「キリマンジャロ ブレンド」を2袋ずつアソートし、これに加えて期間限定コーヒーとして新たに柑橘やハーブを思わせる鮮やかな香りと芳醇な余韻が特長の「東ティモール」を2袋詰め合わせた。
東ティモールのコーヒーの多くは、山の森の中で小農家により日陰栽培され、生産量は世界全体の0.1%程度。日本に輸入されるコーヒー豆全体では0.05%程度と高い希少性が訴求ポイントの1つとなっている。
11月から放映予定の新TVCMでは、昨年10月に放映開始した「やっぱり、モンカフェ。」篇の内容を変更。「モンカフェのブラックのおいしさの根拠でもあるハンドドリップのスタイルをもう一度訴求する内容に改めた」(片岡物産)という。
1-7月の好調の背景については「コーヒー豆の高騰により、市場全体が値上げ基調にある中で、一杯の価値がより求められることになったことが、高品質の『モンカフェ』の追い風になった」とみている。
施策としては、2024年8月に行ったパッケージリニューアルに伴い、入り数を減らして価格を抑えた買いやすい価格への実質値上げが功を奏した。
主力6品の10袋入りのパックを8袋入りに変更し、希望小売価格を引き下げたことで、狙い通りトライアルの獲得にもつながっているとみられる。
「24年8月まで10袋入りで本体価格570円だったのが、リニューアルにより8袋入りで本体価格500円にしたところ販売数量増による金額成長が図れている」と語る。
全面リニューアルしたパッケージも奏功したとみられる。
ブレンドカラーの面積を拡大し、パッケージ表面の約2/3を各ブレンドのブレンドカラーで占めるようにして店頭での視認性を向上させた。
「複数のブレンドを並べた際に棚でかなり目立ち、存在感を増した」との手応えを得る。
パッケージの品質感も好調要因と考えられる。ロゴ・シズル・湯気のみ光沢感を出したデザインで品質感をアピールしたことで、手に取られやすくなったと同社はみている。
アイスコーヒー訴求については「浸透が図れている」とみている。
「モンカフェ」では近年、おいしいアイスコーヒーが作れることを訴求。フィルターがコーヒーに浸からない「モンカフェ」独自の形状を強みとし、レギュラーコーヒーを氷の上に直接ドリップして豊かな香りを閉じ込める急冷式のアイスコーヒーで差別化を図っている。