エヌエスは、お菓子売場の創造を志向し、均一菓子の「自然味良品」や「個食美学」などエヌエスグループのPB商品に磨きをかける。
「自然味良品」では、パッケージのアレルギー表示を見直し、生活者に伝えやすくした。
従来、食品表示法で表示が義務付けられているアレルギーを全て示した上で、その中で含まれていないアレルギー物質に×印をつけていたが、2023年3月にアレルギー表示が義務付けられている品目にくるみが追加されるなど今後の法令対応も踏まえて、商品に含まれるアレルギーのみを表示するようにした。
インバウンド需要の取り込みも図るべく、ピクトグラムをより分かりやすく刷新したほか、英語表記を追加した。

「自然味良品」の新商品は、有機JAS規格の栗を使用した「むき甘栗」(10月6日発売)。既売品としては、栗ペーストを配合した「栗しぐれ」や均一菓子でもトップの販売実績を誇る「クレープロールチョコ」を推し出していく。
「自然味良品」では、焼菓子・半生が充実。地域で売れる商品も網羅している。
これに対し「個食美学」は、「自然味良品」と同様にボリュームの追求と豊富な品揃えを特徴としつつ、健康志向に対応。半数の商品がロカボ対応品となっており、おつまみ需要に対応した商品を多く取り揃えている。
「個食美学」では、従来の100円均一商品に加えて、昨年7月から第二価格帯として150円均一商品を展開している。

100円均一では、「素焼き割れカシュー」や「素焼きアーモンド」など他社の100円均一に比べて素焼き系のナッツ商品を多く取り揃え、有塩・無塩表記を順次改良する。
ナッツ、豆類には緑色の「食塩不使用ロゴ」とオレンジ色の「あっさり塩味ロゴ」を追加。豊富なラインアップを取り揃える中で、有塩か無塩かをよりわかりやすく判別できるようにした。
「個食美学」の新商品は「焼きたら」(9月1日発売)と「塩そら豆」(10月6日発売)。既存品としては「チーズかまぼこ」「ギョーザの皮天」「北海道産黒大豆」などを推し出していく。
ボリュームとコストパフォーマンスを一層追求した200円均一の「わけとく」と250円均一の「でかどく」も強化。

「わけとく」では、一部商品に無選別(割れ欠け品)でB級品をあえて取り入れることで価格訴求を強めている。ボリューム感と安心感を効果的に訴求すべく、中身が見えるパッケージを採用。加えて過剰包装を避けることで、コスト競争力を高めている。
売れ筋は「ピーナッツかりんと」。秋冬に向けては「玄米ぽん」「ビッグコーン」「キャラメルポップコーン」などを推し出していく。
これに対し「でかどく」は、レトロな真っ赤なパッケージと縦にも横にも陳列できるユニークなデザインが特徴。ボリュームを追求しつつ個包装やチャックを採用して、便利に保存できるほか、家族が集まるシーンなどに適している。
現在、250円均一で展開しているが、物価高騰を受けて、秋口に価格と規格の見直しを予定している。

そのほかコラボ商品としては、エヌエス・カネセイ食品・アサムラサキと共同開発した創作おつまみ「うずらのたまご かき醤油味」が脚光を浴びている。
既存商品では前身商品の「カラメルナッツ&アーモンド」の商品名とパッケージデザインを刷新。商品名を「キャラメリゼナッツ ピーナッツ&アーモンド」とし、ミックス商品であることや、シックなフォント・デザインで大人向け商品であることをわかりやすくした。
商品名やキャッチコピーが売場でわかりにくいとの声を受けて改良したのは「ぶどう味のぶどう糖ラムネ」。商品名を中央に移動し、グレープ風味とマスカット風味のフレーバーのアイキャッチを用いて訴求している。
エヌエスグループのPB商品数は他社ブランドを含め300品以上。このうち「自然味良品」(約80品)「個食美学」(約70品)「わけとく」(約20品)「でかどく」(約25品)のアイテム数は近年増加傾向にある。
エヌエスは、全国11社で構成されるエヌエスグループのPB商品共同仕入れ窓口として1988年に設立された。
エヌエスグループは7月9日と10日、神戸国際展示場(兵庫県神戸市)で“お菓子売場を創造する”をテーマに展示会「Grandex2025」を開催。小売業に向けてエヌエスグループのPB商品を含め多彩な菓子売場、菓子商品を提案した。