三幸製菓が錠菓に挑戦 取締役にロッテ前社長の牛膓栄一氏を迎え入れ新たな事業領域を加速

 三幸製菓は錠菓市場に挑戦するなど新たな事業領域を加速させる。
 ロッテ前社長の牛膓(ごちょう)栄一氏を迎え入れ、牛膓氏は7月1日付で同社取締役に就任した(10月1日付で代表取締役社長に就任)。

 7月28日、取材に応じた秦野勝義取締役経営本部長は「お客様に“Wow(ワォ)”をお届けする存在でありたい。お菓子を通じて、幸せはもちろんのこと、驚きや感動もお伝えしたい。その対象としては、日本だけではなく海外のお客様も視野に入れ、その手段として米菓に留まる必要はないと考えている」と語る。

 この考えのもと、3月から新コーポレートスローガン「Make Wow Moments.つくろう、ワォ!と楽しくなる瞬間。」を掲げている。

 同スローガンのもと米菓からの領域拡大として、ここぞという勝負どきのためのエナジーラムネ「UPROCK(アップロック)」を開発し、9月から全国のセブン‐イレブンで順次テスト販売を実施している。

 「エクストリームスポーツやアーバンスポーツをされている方をメインターゲットに、エナジードリンク味とラムネ味の2種類のタブレット型錠菓を取り揃える。参入というレベルではなく挑戦の位置づけとなる」と説明する。

 開発にあたっては、集中を必要とするシーンで重宝されているラムネとエナジードリンクを融合させた商品を志向。ブドウ糖、カフェイン、クエン酸に加え、コメ由来のタンパク質を配合し、スポーツのほか勉強や気分転換に好適な商品に仕立てられている。

 そのほかの領域拡大としては、スイーツブランド「Dressed Niigata(ドレストニイガタ)」をプロデュースして新潟県の道の駅や新潟空港などの売店で、20~40代女性をメインターゲットにスイーツを販売している。

 「カヌレ」「もちふわほっぺ」「クリーム大福」「ヨウカン」などをラインアップ。このうち「クリーム大福」は三幸製菓のグループ会社・有限会社Runeが製造し、その他の商品はOEMで製造されている。

 グミ市場に向けては、「もちきゅあ」シリーズを引き続き強化していく。

 「もちきゅあ」は、米粉の求肥(ぎゅうひ)による食感グミで、求肥製法によるもちもちとした食感が咀嚼回数を高め満腹中枢を刺激し、少量で満足感が得られるため仕事や家事・育児などのスキマ時間の小腹満たしにも好適となっている。

 今春、“和グミ”としてリニューアルを行い「みたらし団子味」と「いちご大福風味」の2品を発売開始したところ好調に推移しているという。