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トップニュース家庭用チーズ市場 前年割れも新需要育つ “自分好み”志向で高価格帯堅調

家庭用チーズ市場 前年割れも新需要育つ “自分好み”志向で高価格帯堅調

2024年度(4~3月)の家庭用チーズ市場は、金額・物量ともに前年比約1%減と前年割れだった。相次ぐ価格改定が日常使いの定番品を直撃し、ベビーチーズやシュレッド、スライスなどが軒並み減少。酒類関連需要も縮小傾向で、おつまみ系商品も苦戦が続いた。

一方、明るい兆しとして「自分好みを選びたい」という志向が高まっている。高価格帯ではカマンベールが4%増、モッツァレラも新フレーバーや試食販売が奏功し前年を超えた。デザート系は六甲バター「ひとくちCheese Dessert あまおう苺」が計画比4.5倍、森永乳業「小さなチーズケーキ」シリーズも二ケタ増と好調で、手作り需要が高まったことでクリームチーズも大型タイプを中心に伸長した。

市場構成比も変化し、24年度はナチュラルチーズ(NC)が初めてプロセスチーズ(PC)を金額ベースで上回った。農林水産省「チーズの需給表」によると、2024年度のチーズ総消費量は約32万6000トンで前年比3.5%増と5年ぶりに増加。家庭用市場は縮小傾向だが、外食・業務用需要が伸長し輸入ナチュラルチーズが全体を押し上げたとみられる。

2025年度も厳しい市場環境は続く見通しだが、各社は「買う理由」を示す提案を強化。雪印メグミルクは6Pやさけるチーズで朝食・おやつシーンを深掘り、明治はスパイス付きカマンベールを再投入。森永乳業も「フィラデルフィア」ブランドで周年企画を展開し新規層獲得を狙う。チーズを使った冷製メニューを提案するメーカーもあり、夏場の需要の掘り起こしも加速しそうだ。

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