加藤産業 新製品発表会 簡便調理の提案に力

加藤産業は7月10、11の両日、神戸国際展示場で「第52回秋&冬の新製品発表会」を開催。全国の量販店や外食店など、得意先約4900人が事前登録した。

中村考直専務は商品傾向について「単身世帯の増加が続いており、レンジやワンパンなど調理道具をなるべく使わなくて済む商品が増えている」と説明。トレンドコーナーではスマート飯として、温めたり混ぜたりするだけの調味料などを並べた。

「レタスクラブ」とのメニュー提案コーナーも、「夏の早楽おうちごはん」をテーマに展開。本田商店はレンジ調理用の出雲そばに、納豆と梅を加えて提供。「夏らしくさっぱり仕上げた」と試食を勧めていた。

テーマコーナーでは、若年層の健康意識に注目。自己管理意識が高まっていることを受け、美容・健康に関する商材を紹介。また、コメの節約提案としてパンや麺への置き換え、古米の賢い使い方などを示した。

オリジナル商品は「カンピーザ・プレミアム」の新製品、ブランド柑橘のせとか、媛まどんなを使った「手造りジャム」を発売。太田茂治ブランド事業部長は「贈答用にも使われる高価な原料。プレミアム商品として、価値をしっかり訴求する」と話す。海苔は原料不足が続く中、手に取りやすい価格帯や国産志向に対応できるよう、価格や規格を見直し新製品を投入した。

会場では608社が約7100アイテムを出展し、このうち新製品は約2100アイテム。メーカーの内訳は常温346社、低温82社、酒類145社、菓子35社。

中村考直専務
中村考直専務

物価と経費の上昇を懸念 中村専務

中村専務は会見で、コメ問題を含む市場の動きについて次の通り述べた。

コメ不足で単価が上がり、備蓄米の販売により小売業の来店客数も増えた。われわれにとってはパンが売れたことでジャムの数字が良くなり、パスタ類も好調。コメ不足により、フォローの風が吹いているのは事実だ。

ただ、これから先、さらに上昇する物価の流れを考えると売上を伸ばすのは苦しくなる。また、経費が上がっており、その両方が押し寄せてくることで業績が厳しくなると予測される。得意先が望むこと、その先のお客様に喜ばれることをどう仕掛け、実現するかが大事である。