酒類大手4社が4月1日からビール類や缶チューハイなどを一斉に値上げしたことで、同月の販売に影響が表れた。
各社の実績は別表の通り。ビール類はいずれのメーカーも前年同月に比べ3割強のダウン。値上げ前の駆け込み需要により3割強の増加となった前月の反動が表れた。ただ影響は想定内に収まり、1月からの累計ではほぼ前年並みで推移。実需は堅調を維持している。
アサヒは主力ビール「スーパードライ」が前年同月比58%となったものの、4月15日から発売した7年ぶりのスタンダードビール新ブランド「ザ・ビタリスト」の押し上げ効果でビール類合計では67%。同ブランドは発売1か月足らずの今月上旬時点で、年間目標の4割にあたる80万㌜を突破した。
キリンは前年同月の「晴れ風」発売から一巡した影響があった一方、やはり15日に新発売した「一番搾り ホワイトビール」の販促強化により、単月では一番搾りブランド合計で102%、ビール類計69%となった。
主力「黒ラベル」や「ヱビス」が好調なサッポロでは、狭義ビール、ビール類計とも1―4月は前年超え。「価格改定の影響は最低限だったと考えている」(同社)。
サントリーも、ビール類トータルでは4月までの累計で前年を上回る推移。RTD(缶チューハイなど)は「-196無糖」シリーズが単月で倍増に近い実績をみせ、累計177%と躍進中だ。
価格改定の影響は一時的なものにとどまるとみられる。業界の視線は、来年10月に控える“本丸”のビール類酒税統一へと改めて注がれることになりそうだ。

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