ウエルシアHD 桐澤社長「ドラッグ&フード」構想 食品強化は立地特性にあわせて

ウエルシアホールディングスとツルハホールディングスの経営統合がこのほど発表され、巨大ドラッグストアチェーン誕生の先行きが注目を集めている。

ウエルシアHDの桐澤英明社長は、このほど開催した決算説明会の席上、統合後の店舗改装やシナジーについて言及。「(2社の親会社となる)イオンの商品調達力を生かして食品を強化していくが、ドラッグストアの中心はあくまでヘルス&ビューティーの商品。郊外型、都市型など店舗の立地特性に合わせて売場を改装していくことになるだろう」とした。

ウエルシアとツルハが統合後の目指す姿として掲げた「ドラッグ&フード」業態の構想を説明したもの。「われわれが挑戦しようとしているのは生鮮食品、お弁当、総菜などを導入して店舗の売上や粗利額を増やしていくこと」と前提を話しつつ、「とはいえ、すべての店舗に食品を大々的に取り入れるわけではない」とコメント。「例えば郊外型の店舗は生鮮や総菜など食品を強化したフォーマットになるだろうが、都市型の店舗には都市型の磨き方がある」と話した。「ドラッグ&フード」の店舗は25年度(2月期)上期中に数店を試験的に展開していく予定。

またイオンを含めた3社で収益改善のシナジー効果は3年後に500億円(うちウエルシアとツルハの2社で400億円)を見込むと公表している。これについて桐澤社長は「決して低い目標ではないが、達成できる可能性は十分ある」とコメント。「短期的にはNBやPBなど商品面のシナジーを追求し、併せて電力の調達などでも大きな効果を想定している」とした。

「統合でもっとも大切なのは信頼関係」

同じ席上、統合を成功させる上で重要なことを問われた池野隆光会長は「互いの信頼関係」であることを強調。

「われわれはこれまでに数多くのM&Aを行ってきた。その中には売上がほとんど同じくらいの事例もあった。それでもうまくいったのは、やはり人が交流して信頼関係を築いたからだ。会社の規模が大きくなっても大切なことは同じだと思う。互いに学び合って共有していきたい」と述べた。

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