サントリー食品インターナショナル、日本で約200億円のコスト悪化を想定 吸収目指して売上収益追求しコストマネジメント徹底

 サントリー食品インターナショナルは今期(12月期)、コーヒーなどの原材料高騰やインフレなどのコスト増、マーケティング投資などの費用増加を吸収すべく、売上収益の成長を追求しコストマネジメントを徹底する。

 国内外を取り巻く環境について、2月13日、決算説明会に臨んだ小野真紀子社長は「地球温暖化を起因とした気候変動による原料の調達リスクと価格の高騰、人件費や物流費のコスト増加など当社の想定を上回るスピードで事業環境が大きく変化している」との見方を示す。

 このうち原材料調達リスクについては「我々の場合、コーヒーとオレンジの価格高騰が原価の中で非常に大きな部分を占めている。今年に入り、相場がさらに高騰しており、この点をリスク要因としてウォッチしている」という。

 日本・APAC(アジア・オセアニア)・欧州・米州の4つのセグメントのうち、日本ではコーヒーなどの原材料高騰や物流費悪化を踏まえて約200億円のコスト悪化影響を想定する。

 こうした厳しい事業環境の中で、小野社長は「ブランドや人、事業基盤強化への投資は緩めず、M&Aについても積極的に検討を進めていくことで将来的な事業成長に向けて取り組んでいく」と意欲を示す。

 日本では「サントリー天然水」「伊右衛門」「BOSS」などコアブランドの価値強化と新需要創造に取り組む。

 内貴八郎取締役専務執行役員SBFジャパン社長は「コアブランドでは決して退くことはできない。昨年同様に様々な活動をしていく。特に緑茶と水は、価格改定を行うことでPBへのシフトが結構起こっており、NBの間でも競争が激化しているカテゴリ。その中で、お客様により満足いただける商品を目指してコアブランドを立てていきたい」と力を込める。

 国内販売数量は、前年の猛暑影響の反動や価格改定の影響を織り込み3%減を想定。売上収益は、大型PETから中型PETへシフトする容器ミックスの改善や価格改定効果で1%増を計画する。

 グローバルでは、コーヒー・ティー・エナジドリンク・RTDの日本以外の積極的な展開を推進。オーストラリアでは今年半ばからRTD「-196」を飲料・酒類兼用の新工場で製造し販売する。

 将来の成長に向けた戦略的投資・構造改革も推進。日本の自販機事業では、新キャッシュレスサービス「ジハンピ」を展開し顧客の利便性を高めていく。

 海外では、オーストラリアの飲料・酒類兼用の新工場のほか、ベトナム南部のロンアン省に新工場を建設し、日本では高砂工場に製造ラインと物流倉庫を新設する。

 今期業績予想は、売上収益1兆7960億円(5.8%増、為替中立4.5%増)、営業利益1610億円(0.5%増、為替中立1.7%減)、既存事業ベース(譲渡事業の損益影響などを控除した値)営業利益1715億円(2.2%増、為替中立0.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益900億円(3.7%減、為替中立6%減)。

株式会社アピ 植物性素材