キリン「生茶」お茶への関心の薄い若年層を獲得して18年ぶり3000万ケース突破 支持される「持ち物としての価値」に磨き

 キリンビバレッジは緑茶飲料ブランド「生茶」で昨年支持された“持ち物としての価値”に磨きをかけブランド力を高めていく。

 「生茶」の2024年販売数量は前年比12%増の3123万ケース。06年以来18年ぶりに3000万ケースの大台を突破した。これには、単に飲み物としての価値ではなく、持ち物としての価値を訴求し、お茶への関心の薄い若年層を獲得したことが奏功したという。

 4月10日、発表会に臨んだ森部勇マーケティング部ブランド担当主務ブランドマネージャーは「特に20・30代の男女を大きく伸長させることができた。おいしさや価格・容量といった既存の価値ではなく、持ち物としての価値という今までのペットボトル緑茶にはなかった新しい選択基準として提案したことが、緑茶の新しい選ばれ方につながったと考えている」と語る。

 このような手応えを受け、今年は持ち物としての価値に磨きをかけるべく、「生茶」本体と「生茶 ほうじ煎茶」を4月15日にリニューアル発売して新CMを放映するほか、新施策「生茶 LIFE&TEA アクション」を始動した。

森部勇マーケティング部ブランド担当主務ブランドマネージャー
森部勇マーケティング部ブランド担当主務ブランドマネージャー

 新施策は「お客様の日常生活にちょっと気分が上がる瞬間をつくる新しい取り組み」となり、アート・ファッション・カルチャーなど様々な切り口での提案を予定している。

 パッケージに二次元コードをあしらい新施策の体験を促す。
 「購入されなくても体験できるように用意した。『生茶 LIFE&TEA アクション』を通じて“『生茶』って素敵だな”“気分が上がるようなことをしてくれる”といったことを伝えていきたい」と述べる。

 新CMは、鈴木亮平さんと出口夏希さんを継続起用し、“きもちよさ、と生きていく”をテーマに「生茶」とともにある、軽やかで気持ちのいい時間を描いた。

 「昨年9月に放映開始したCMでは、Bialystocksさんの音楽も“何か気になる”“素敵”といったお言葉をいただいた。そのようなところを大事にして、今春から外に出て青々しい爽やかな世界観で、軽やかで気持ちのいい瞬間を伝えていきたい」と力を込める。

鈴木亮平さん(右)と出口夏希さん
鈴木亮平さん(右)と出口夏希さん

 リニューアルでは、「生茶」本体と「生茶 ほうじ煎茶」のパッケージを刷新し、「生茶」本体は中味も磨きをかけ、トップのお茶感を強化しながらも、飲みやすい味わいに仕立てた。

 「緑茶は一日かけて少しずつ飲まれることから、止渇をベースにしながら、ひと口の満足感が得られるように新茶のような爽やかな香りや甘みを感じていただきながら、スッキリ切れていくようにした」と説明する。

 昨年の販売数量はボリュームゾーンの「生茶」本体が10%増、「生茶 ほうじ煎茶」が60%増となった。
 「生茶 ほうじ煎茶」の大幅増については「カテゴリでみると、ブレンド茶や麦茶のお客様が多く流入した。お客様から、ほうじ茶というよりも、少し素敵な新しいお茶としてご評価をいただき大きく伸ばすことができた。もっともっと育てていきたい」と意欲をのぞかせる。

株式会社アピ 植物性素材