酒類大手4社では、ビール類やRTDなどを4月1日から一斉に価格改定した。値上げ前の駆け込み需要が発生したことで、3月のビール類トータル販売数量は各社の推計で前年同月比136%となった見込み。
10日に各社が発表した3月実績は別表の通り。仮需により主要ブランドはいずれも3~4割の伸長となった。酒税率低減も追い風に好調な狭義ビールはもとより、市場の縮小基調が続く発泡酒も前年同月の増税の反動で伸びた昨年10月以来のプラス。狭義ビールではおおむね30ポイント前後、発泡酒では50ポイント前後の押し上げ効果があったとみられる。
また缶チューハイをはじめとしたRTDはメーカー間のばらつきが大きいものの、やはり軒並み大きく伸びた。
4月に入って店頭価格の引き上げが進むなか、家庭内在庫の増加や買い控えの広がりから販売は減少に転じている。
7日までのPOSデータをみると、ビール類の販売数量は前年同月比77.9%(㈱マーチャンダイジング・オン RDS市場データ スーパー全国)。今のところ想定内の縮小幅に収まっており、実需はひとまず堅調とみられる。
今年は各社とも値上げによる一定の市場縮小を織り込む一方、新商品の投入や販促強化で需要底上げに躍起だ。発泡酒も含めビール類の酒税率が統一される26年10月の酒税改正が近づくなか、最後のデッドヒートに向けた助走期間に入った。
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