ネスレ日本は春夏コーヒー市場に向けて、「ネスカフェ アイスブレンド」を3月10日に新発売する。
同商品は、アイスコーヒーとしてのおいしさを追求した「ネスカフェ」の専用商品。
具体的には「すっきり軽やかな味わいと豊かな香りが特長で、ブレンド、焙煎、抽出のすべての過程で試行錯誤を重ね、酸味を抑えつつ香りやボディを引き立てることにこだわった」と飲料事業本部の尾﨑由唯氏は説明する。
大きな特徴は、食品を凍らせ専用の機械で真空に近い状態にして乾燥させるフリーズドライ技術を用いて製造された「ネスカフェ」の中で最も冷たい水やミルクにも溶けやすい点。

スイス本社のR&Dセンターのアイデアをもとに、日本の開発チームと工場、 マーケティングで連携して試作と分析を繰り返し、“クリスタルフローズン製法”を編み出し世界のネスレに先駆けて日本で製品化を実現した。
同製法について生産本部製造サービス部の木本明宏氏は「淹れたてのコーヒー液を丁寧に凍結しコーヒー本来の豊かな風味を逃がさずに閉じ込めた。凍結乾燥条件の最適化により、コーヒーパウダーの粒の内部により大きな隙間を形成することに成功した。隙間に冷たい ミルクや水が入り込むことで、これまでにない溶けやすさを実現している。私たちが長年にわたり培ってきたフリーズドライ技術と専門知識が最大限に活かされており、溶けやすさと味わいに優れた自信作」と胸を張る。
粉末タイプのため、好みの濃さに調整でき、アレンジメニューにも使いやすいのも特徴。

ターゲットについては、「レギュラーソリュブルやインスタントコーヒーを飲用しているもののアイスでは飲んだことがない方、特に20~30代の若年層」と尾崎氏は語る。
ラインアップは瓶・つめかえパック・つめかえ用袋・スティックブラックの4形態。3月10日に一斉に発売開始され、アイスコーヒーの最需要期である夏に向けてデジタル広告・店頭プロモーション・消費者キャンペーンなどを幅広い展開を予定している。
導入状況については「全国で順調に品揃えが決まっており、当初の想定を上回っている状況。伸長するアイス需要の取り込みという発売目的への賛同や、アイスコーヒーとしてのおいしさを徹底的に追求して生まれた製品という製品コンセプトが高く評価された」(尾崎氏)と述べる。
開発の背景はアイス飲用の拡大にある。

「日本で飲まれるコーヒーの約40%はアイスとなり、若年層を中心にアイス飲用は年々拡大している。アイス飲用比率は20代でみると男性が65%、女性が44%」(尾崎氏)とみている。
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