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飲料系飲料尿もれや手指の痛みも更年期症状  日本とアメリカの一番の課題は認知不足 女性の健康推進へ大塚製薬がグローバルで協業

尿もれや手指の痛みも更年期症状  日本とアメリカの一番の課題は認知不足 女性の健康推進へ大塚製薬がグローバルで協業

 尿もれや手指の痛みも更年期症状――。
 女性の健康の推進に向けて、大塚製薬はグローバルで協業して更年期症状など女性の悩み解消に注力していく。

 2月7日開催されたプレスセミナーで更年期症状の一番の課題に挙げられたのは、国内外ともに更年期症状への理解が乏しい点。

 手指の痛みなどの更年期症状で最初に受診する診療科は内科・整形外科・整骨院の順とされる(出典:HAPによる45~59歳を対象として健康に関する意識調査)。

 プレスセミナーで冒頭挨拶した井上眞社長は「女性の健康課題は、個人差に加えて人種差も知られている。例えば更年期症状においても様々な症状があり、その1つであるホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)の発症頻度に人種差があることが報告されている」と語る。

井上眞社長
井上眞社長

 この認識のもと、同社は、ともに米国グループ会社であるボナファイドヘルス社とユコラ社の科学的知識やデータを活用して、女性の健康課題に対するソリューションをグローバルに展開していく。

 更年期症状のソリューション提案の前段階として「一番の課題は認知」と指摘するのは、上野友美ニュートラシューティカルズ事業部佐賀栄養製品研究所所長。

 「日本において更年期症状は“何となく調子が悪い”や“仕方のないことで我慢するものだ”という認識だと思う。米国ではホットフラッシュのみが取り上げられ、その他の悩みに関してはあまり深く課題を取り上げられない。日米とも正しい情報を提供して更年期症状に対しても認知を高めていくことが大事」と呼びかける。

上野友美氏
上野友美氏

 ボナファイドヘルス社のチーフメディカルオフィサーで婦人科医のアリッサ・ドウェック氏は「米国では更年期症状は疾患と考えられておらず、自然のライフステージと考えられている」と述べる。

 ホットフラッシュや寝汗といった血管運動神経系の症状が、米国の更年期症状の中で最も厄介な症状であり、80%の女性が経験し平均7.4年間続くことにも触れ「ほとんどの女性は未治療。薬剤の副作用が怖くて不必要に苦しみ、ケアに対するアクセスが限られている。メノポーズ(閉経)の教育も欠如している」と指摘する。

 更年期症状に対し、米国の医学会(閉経学会)では、ホルモン補充療法が第一選択の治療と位置付けており、サプリメントはエビデンスに基づかないで懐疑的なものとみられているという。

 一方、米国の生活者の間では更年期症状の対処法としてサプリメントが浸透しており、メノポーズ・サプリメントの市場規模は2023年の約170億ドルから30年に244億ドルに到達すると予測する。

アリッサ・ドウェック氏
アリッサ・ドウェック氏

 ボナファイドヘルス社の製品は、自然由来の原料を使用し、医薬品のメカニズムに着目して開発されている。

 大塚製薬の米国子会社ファーマバイト社は21年にユコラ社、23年にボナファイドヘルス社を買収し女性向け健康食品事業を拡大している。エクオールを含有した大塚製薬のサプリメント「エクエル」も取り扱い北米市場を開拓している。

 グループシナジーはR&Dのほか調査方法やデータの取得方法などで見込む。

 大塚ホールディングスは、第4次中期経営計画で掲げた、地球環境、女性の健康、少子高齢社会という社会課題に重点的に取り組んでいる。

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