堀口珈琲、こだわりの店舗にショールーム効果 横浜ロースタリーを起爆剤に業務用から引き合い強まる

 都内で4店舗を構える堀口珈琲の店舗にショールーム効果が出現してBtoB(業務用)からの引き合いが強まっている。

 取材に応じた若林恭史社長は「業務用は、絶好調に推移している。既存のお得意先様の取引量が拡大しているほか、新規のお得意先様の獲得が伸びを牽引して、売上高は年間通じて前年比120%~130%の伸びをみせている」と語る。

 その要因には、店舗サービスに磨きをかけたことを挙げる。

 店舗サービスについては「今年、全社員に“コーヒーのプロとして、コーヒーの発信者にならないといけない”と改めて伝えた。ホスピタリティも重視し、思い描くリアルの場である店舗を実現できた。磨き上げた店舗を起点に業務用ビジネスのお問い合せにもつながっている」と胸を張る。

若林恭史社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
若林恭史社長

 若林社長によると、新規の得意先様の多くは、まず堀口珈琲の店舗でサービスを体験し、その体験に背中を押されるようにして業務用での堀口珈琲の導入を決めるという。

 中でも大口取引の引き合いには、2019年に新設した焙煎施設「横浜ロースタリー」が起爆剤になっているとする。

 「大口のお取引もいただけるようになったのは横浜ロースタリーの効果が大きい。以前は店内焙煎だったため安定供給や品質管理、衛生管理が求められる要件に合致せず取引できないこともあったが、専用建屋の焙煎施設ができたことで解消され、信頼感が物凄く増したと思っている」と述べる。

 店舗体験が業務用の売上につながる流れは、社内の信頼関係の醸成にも一役買っている。

 「業務用のメンバーが“店舗が良かったから導入が決定した”と店舗運営メンバーに感謝するといった動きが出てきている。会社全体でBtoBとBtoCの連携や社内の良いコミュニケーションが生まれ、いいブランドだと自信を持って仕事に臨む機運が醸成されている」という。

 現在の売上の比率は、業務用が4.5割、店舗が3.5割、ECが2割。業務用のさらなる拡大を見据え、今後は、店舗にリソースを割くことで、バランスを取りながらさらに好循環を狙う。

 「BtoCの面を広くして成長を促すことで、将来的にはBtoBの更なる成長にもつながると考えている。2025年から26年にかけては、マス向けの店舗を増やし存在感を高め、情報発信力も強化していく」と意欲をのぞかせる。

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