第48回日加なたね協議が先月、都内で開かれた。24年産のカナダ菜種需給見通しが示された。
24年産の需給予想は別表の通り。7月の予備協議では、カナダ菜種の生産量は2000万tに回復する見通しが示されていたが、7月以降の開花期にかけて高温と乾燥に見舞われ、前年並みの1910万tにとどまる見通し。カナダ代表団からは「シーズン当初は理想的な土壌水分状態で期待していたが、(前年比横ばいの状況は)落胆するものとなった」という言葉も聞かれた。
24年産の供給量見通しは2199万t(前年比3.1%増)。一方で、需要面では輸出量735万t(10%増)、国内搾油量1187万t(7.6%増)、計1970万t(6%増)。
輸出は、中国向けが前年の470万tから260万tに減少する見通し。日本向けについては前年の80万tから160万tに回復する予想で、「カナダ側としても大変喜ばしく思う」と期待を寄せた。そのほかメキシコ向けが前年58万tから115万t、欧州向けも86万tと伸長する予想を示した。
国内搾油量は前年から84万t増の過去最高の1187万t。米国のバイオ燃料政策との兼ね合いもあるが、カナダ国内の搾油量は増加傾向にあり、期末在庫量は前年から約45万t減の229万t。期末在庫率は12%で、非常にタイトな状況が見込まれている。
会合では、両国の半世紀近くにわたる相互の友好と信頼関係が高品質なカナダ産菜種の安定供給につながっていることを確認。両国で品質などの情報を共有したほか、カーボンニュートラル実現に向けたサプライチェーンの可視化、気候変動や地政学リスクの高まりを踏まえたカナダ菜種の中長期計画(CCC戦略)など、幅広い議論が行われた。