J-オイルミルズの佐藤達也社長は11月14日の決算説明会で、消費環境が不透明さを増すなか、「顧客の課題解決につながるソリューション提案を強化する」方針を示した。
同社の上期業績は売上高1163億円(6.7%減)、営業利益54億円(10.3%増)。原料相場の良化に伴う汎用油・ミールの単価下落や家庭用マーガリンの終売で減収となったが、利益面では物流費などの上昇を吸収し、増益につなげた。
家庭用油脂は、汎用油の数量回復が進んだことに加え、こめ油が好調に推移。原料高騰に直面するオリーブオイルは小容量品やブレンドタイプの提案により、値上げによる物量への影響を最小限に抑えた。
業務用油脂は、汎用品の単価下落はあるものの、コストに見合った適正価格での販売と積極的な提案活動が奏功。「長徳」や「JOYL PRO」など、人手不足解決や低負荷実現に貢献する高付加価値品も好調だった。
スペシャリティフード事業では、加工食品や惣菜、製菓製パンの食感向上などに貢献する「テクスデザイン」シリーズが伸長。家庭用マーガリンの撤退など、事業構造改革の成果もあり、黒字化を達成した。
下期に向けては、大豆・菜種の原料相場は落ち着いてきたものの、円安進行、物流費や人件費、資材価格の高騰などコスト環境は厳しさを増しており、汎用油は10月から実施している価格改定の早期浸透を目指す。
佐藤社長は「おいしさデザイン企業として、当社が得意とする油脂や油脂加工品、スターチなど食品素材を組み合わせ、おいしさ・健康・低負荷を実現するソリューションで、お客様の課題解決に貢献する」と意気込みを示した。