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流通・飲食小売セブン金のシリーズ初の肉まん  横浜中華街の老舗で人気の1200円商品と「遜色ない味わい」  割ると一目瞭然のふかひれがウリ

セブン金のシリーズ初の肉まん  横浜中華街の老舗で人気の1200円商品と「遜色ない味わい」  割ると一目瞭然のふかひれがウリ

 「セブンプレミアムゴールドシリーズ」(セブンプレミアム金のシリーズ)初のチルド肉まん「江戸清金の肉まん ふかひれ入り 」が10月14日に全国のイトーヨーカドー、ヨーク、ヨークベニマルで販売された。

 本体価格は398円(税込429円)。横浜中華街の老舗「江戸清(えどせい)」と4年かけて共同開発した。前々任・前任から“金の肉まん”のミッションを引き継ぎ江戸清に白羽の矢を立てたのは、イトーヨーカ堂(IY)の木間(このま)啓輔さん。

 紆余曲折を経て共同開発の運びとなり、江戸清で肉まん主要商品をひととおり試食した木間さんの心震わせたのは人気商品の「プレミアム肉まん 厳選した国産素材で作ったお饅頭」。価格は税込1200円。

 「食べさせていただいたときに、物凄く感動して、この商品をベンチマークに定めた。ふかひれが特徴で、具材感も魅力。これを何とかお客様が買いやすい価格に落とし込んだ商品ができないかということを江戸清さんと一緒に試行錯誤しながら進めた」と木間さんは振り返る。

 江戸清で販売している「プレミアム肉まん」の内容量は250g。これに対してセブンプレミアムゴールド「江戸清金の肉まん」は150g。サイズ調整のほか、セブン&アイグループの原料調達力で品質と値頃感の創出を両立させた。

 「原材料は妥協したくなかった。グループ全体で取り組むことで物量が増え、これによりコストを抑えた」と語る。

割るとふかひれが一目瞭然
割るとふかひれが一目瞭然

 特にこだわったのは、肉まんを割ったときに、一目瞭然でふかひれが見て取れること。
 「割ったときに、ふかひれを認知していただけることに関しては、開発設計時と製造ラインのテストで何度も検証した」と胸を張る。

 具材は、ふかひれのほか、豚肉の3つの部位、タケノコ、シイタケを使用し「ジューシーで食べ応えのあるように仕立てた」という。

 苦労したのは、ぎっしり詰まった具材を支える生地。具材の重さで底部が破れやすくなり、単にこれを強化しようとすると皮の食感を失うというジレンマに陥った。

 これを解決したのが江戸清の生地づくりでいくつか取り入れている製法の1つ「老麺法(ろうめんほう)」。

 老麵法について、江戸清の望月沙羅さんは「老麺法は、二段仕込み製法ともいう。できたての生地に、当社独自の発酵方法で予め時間をかけて発酵熟成させた生地を加えることで、新しい生地の発酵をスムーズに促していく」と説明する。

2種類の国産小麦粉を使い老麺法で加工することで、「江戸清金の肉まん」はきめ細かく表面がなめらかで破れにくい生地に仕立てられている。

 レンジ(500W)で1分30秒加熱するだけで食べられる手軽さも特徴。

 江戸清の監修商品はこれまでにいくつかあるが、共同開発商品は江戸清としても初めてとなる。
 「監修商品は江戸清が商品ごとにオリジナルのレシピを組ませていただいているのに対して、共同開発は江戸清商品の配合をベースにしているのが大きな違い」と述べる。

 加えて、金のシリーズからの発売ということで、望月さんとしても身の引き締まる思いだったという。
 「金のシリーズということでチームは物凄くやる気になって、他のカテゴリの金のシリーズを試食しながら、どのようにしたら、この高いレベルに到達できるかを一緒に考えた」と振り返る。

 このようなお互いの強い思いを反映させて商品名も「金の肉まん」ではなく「江戸清金の肉まん」とネーミングした。

 「江戸清はお寿司屋さんと間違われるほど知名度が高くないのが大きな課題となっていた。今回お声がけいただき、我々がずっと培ってきたおいしさを手頃な価格帯の商品に仕立てることができた。1人でも多くのお客様にお召し上がりいただき、江戸清の名前を知っていただきたい」(同)と期待を寄せる。

左からイトーヨーカ堂の木間(このま)啓輔デイリー食品部マーチャンダイザー、江戸清の営業部営業1課に所属する望月沙羅氏
左からイトーヨーカ堂の木間(このま)啓輔デイリー食品部マーチャンダイザー、江戸清の営業部営業1課に所属する望月沙羅氏

 IYによると、肉まん市場はコロナ禍になった2020年に急拡大。手軽に食べられるものとしてリモートワーク時などの間食需要を獲得して喫食シーンを拡大。売上規模も秋冬商材のレベルから年間商材のレベルに達し成長を遂げる。

 温度帯としては、家庭の冷蔵庫のスペースに限りがあることを背景に、複数個入りの常温商品が売れ筋となっている。

 20年から23年まで拡大の一途を辿り、人流回復が本格化した24年は外食需要の復活もあり伸びが鈍化。ただし20年以前と比べると高水準を維持している。

 複数個の買い置きニーズが弱まる一方、今後拡大を見込むのは個食のプレミアムタイプ。
 「江戸清金の肉まん」は、江戸清商品と比べれば値頃感を打ち出したものとなるが、小売市場では高付加価値商品となる。

 木間さんは「チルド売場の肉まんの価格帯をみると200円台前半が平均。今回、398円の価格帯で、さらに他のプレイヤーがほとんどいない中、差別化できた商品を販売することで集客アップにつなげていきたい」と意欲をのぞかせる。

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