環境省から「熱中症特別警戒アラート」が発表されると、クーリングシェルター開放の義務が生じる。
全国的にうだるような暑さが続くが、7月30日時点で「熱中症特別警戒アラート」は一度も発表されたことがなく、過去を振り返っても「熱中症特別警戒アラート」発表レベルの暑さを観測したことはない。
「熱中症特別警戒アラート」とは、「熱中症警戒アラート」以上の暑さが見込まれ、熱中症リスクがかなり高い環境になる可能性があるときに発表される。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長が昨年7月に「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と警鐘を鳴らすなど暑さのレベルが高まる傾向にある中、今年4月に「熱中症特別警戒アラート」の運用が開始された。
環境省は「今後、地球温暖化が進行することで、熱中症特別警戒情報を発表するような危険な暑さが発生する可能性は否定できない」とコメントする。
「熱中症特別警戒アラート」の発表単位は、都道府県となる。全国に841か所ある「暑さ指数」(WBGT)情報提供地点のうち、その都道府県内の情報提供地点で、1カ所の例外もなく全ての箇所で翌日の暑さ指数の最高値が35以上になると予測される場合に発表される。
例えば東京都には小笠原諸島・伊豆諸島も含め11か所の情報提供地点がある。11か所全てで、翌日の暑さ指数の最高値が35以上と予測されると、「熱中症警戒アラート」が発表される。
前日の午前10時頃の予測値で判断し、前日午後2時頃に発表される。
仮に、8月2日が熱中症特別警戒アラートに相当する暑さに見舞われるとすると、8月1日の午前10時頃の予測値で判断され、8月1日の午後2時頃に発表される。
「熱中症特別警戒アラートは、前日午後2時頃の発表のみで、当日の気温等の変化によって追加で発表されたり解除されたりと変更することはない」(環境省)という。
「暑さ指数」とは、湿度・日射などの周辺の熱環境・気温の3つを取り入れた指標であり、数値が高くなるほど熱中症のリスクも高まる。