「inゼリー」フルーツの切り口で間食ニーズ獲得 女性層のご褒美需要や息抜きに対応 ブランド内の買い回り効果も発生 森永製菓

 森永製菓の「inゼリー」ブランドの「フルーツ食感」シリーズが、ゼリー飲料の新規ユーザーとなる女性層を多く獲得して好調に推移している。

 同シリーズは2023年12月以降から、20億円の売上げを突破している。

 4月8日、取材に応じたマーケティング本部健康マーケティング部ゼリーカテゴリーの椎原悠太氏は「他の『inゼリー』の商品と比べて、夕方以降に買われる傾向が顕著にみられる。間食やデザート、ご褒美需要を獲得し、夕方の一息つきたい時に飲まれるケースが多い」と語る。

 「フルーツ食感」シリーズは、「もも」と「メロン」の2種類のフレーバーをラインアップする。メロンは男性ユーザーも多いが、「2品で平均して60%ほどは女性が買われている」という。

 「inゼリー」ブランド全体の主要購買層は40代女性層。同層は、子どもや家族に買い与える代理購買が多く、同層に自分のために購買してもらうことがブランドの課題となっていた。

 その点、「フルーツ食感」は同層や20・30代女性が自ら飲用するために買われる傾向にあり、飲用層の拡大でブランド全体の活性化にも貢献。

 買い回りにも好影響が生まれている。

 「『フルーツ食感』を買われた方が、『inゼリー』の『マルチミネラル』や『マルチビタミン』などを買い回るケースが見られる。『フルーツ食感』が買い回りの入口になるとともに、ブランド全体の認知の向上にもつながっている」との手応えを得る。

 今後は、間食での小腹満たしだけでなく食事代替のニーズも高まるとみている。

 「1日3食というのが当たり前でなくなったり、“ながら食べ”が増えたりと、今後も手軽な食事代替としてのニーズは確実に増えてくるため、そこを捉えていく」と意欲をのぞかせる。

 食事代替として期待を寄せるのがEC限定商品「inゼリー 完全栄養」。1袋で1日に必要な栄養の1/3が摂れる商品となっている。2021年8月に発売を開始し、昨年11月にリニューアル発売を行った。

 椎原氏は「決して安価なゼリー飲料ではないが、徐々に広まり注文が増えてきている」と語る。