セブン‐イレブンの接客コンテストで頂点に立ったのはベトナムの外国人従業員

 セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)が6月19日開催した「第2回セブン‐イレブン接客コンテスト全国大会」で参加2476人の頂点に立ったのはベトナム出身の外国人従業員、レ ティ フン タオさん(神戸三宮駅南店)だった。

 挨拶した野田靜真取締役執行役員副社長営業本部長は「全国40万人の従業員のうち外国人従業員は4万人。レ ティ フン タオさんはその4万人の誇りでもあると思う。本当におめでとう」とたたえた。

 接客コンテストは、加盟店の働きがい創出が目的。“活躍している従業員が、もっと輝ける場がほしい”という加盟店オーナーの声にSEJ(本部)が応え、従業員のモチベーションアップを図るべく昨年6月に第1回が開催された。

モニターに映し出される応援の様子 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
モニターに映し出される応援の様子

 第2回の今回は、2476人がエントリー。2476人は各加盟店から選出された代表者となる。この日の全国大会には、各地区の大会(DO大会2476人)、次いで各エリアの大会(ZO大会296人)を勝ち抜いた22人が接客を競い合った。

 最高峰の接客を披露し合うことで、学びの場にもなりうる。

 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)の会場には、ファイナリストがそれぞれ所属する加盟店のオーナー・従業員が応援に訪れたほか、見学だけのために訪れた従業員もおり総勢1000人が参集した。

 野田副社長は「国内外・業種業態問わず、最後はやはり接客。セブン‐イレブンの接客時間は約45秒。今日皆さん(ファイナリスト)がやっていただいたような接客を続けていただければ、間違いなく新しいお客様、あるいはリピーターがどんどん増えていくと確信している」と期待を寄せる。

 木村成樹取締役副社長管理本部長も「一人一人のお客様の立場になって気持ちを込めておもてなしをすれば、やはり人の心に響いて感動を呼び起こすということを今年も改めて感じた」と述べる。

2位の青名畑なつみさん(名古屋富が丘北店) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
2位の青名畑なつみさん(名古屋富が丘北店)

 エントリー資格者は、従業員の中でもオーナー・店長の片腕であり店内体制の中心的な存在となるシフトリーダー(三ツ星)。

 SEJでは健康・地域・環境と並ぶ柱の1つに人財を掲げ、加盟店を対象にした研修制度や表彰制度を設けている。

 2月末現在、フレンドリーコース受講済みのシフトリーダー研修(一ツ星)は6万3400人、教え方コース受講みのシフトリーダー研修(二ツ星)は3万823人、習得75点以上のシフトリーダー表彰(三ツ星)は8227人に上る。

 「日頃、素晴らしい接客をされている方が数多くおられる。その方々にスポットライトを当ててモチベーションアップを図っていきたい。素晴らしい従業員さんが増えていけば、来店につながるだけではなく、アルバイト募集の際にも“このお店で働いてみたい”と思っていただけるようになる」と語るのは、井口真一オペレーション本部加盟店研修部統括マネジャー。

3位の前田千加さん(秦野名古木店) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
3位の前田千加さん(秦野名古木店)

 人手不足の世情で、募集・採用とともに働きやすい環境をつくり従業員を定着させることが重要と指摘する。

 「辞めてしまう理由の最たるものが“仕事内容が分からない”という不安。この不安を解消すべく、新人向けの研修制度や新人教育する人を育てるような研修制度を設けている。今回出場の教育する側のリーダーをさらに増やしていくことが、新人さんの定着、ひいては人手不足の解消につながると考えている」と説明する。

 外国人従業員向け研修制度も設けおり、その中でお互い腐心するのが言葉と文化の違いという。

 「割り箸1つとっても、“おはし”“さいばし”“はし”といろいろな言い方があり、外国人の方が悩まれると聞く。文化については5分、10分の遅刻は気にしないというのが多く外国の方の反応だが、日本で働く上では時間を守り、遅れそうだったら事前に連絡下さいと伝えている」と語る。

レ ティ フン タオさんと神戸三宮駅南店オーナー(両端) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
レ ティ フン タオさんと神戸三宮駅南店オーナー(両端)

 今回1位に輝いたレ ティ フン タオさん(神戸三宮駅南店)も最初、言葉の壁に悩まされた。

 「日本語学校から紹介してもらい、日本語を勉強しながら働き始めて今年で8年目となる。最初は日本語があまり分からず困ることがたくさんあったが、今は毎日楽しんで仕事している」と振り返る。

 これに対して、神戸三宮駅南店オーナーは「13人の留学生の従業員がおり、タオさんは我々の言葉のニュアンスを間接的に他の従業員に伝えてくれる大事な役割を担っている。日本のおもてなしの心を学ぶ研修も活用して、いつも本当に元気で明るくハツラツと働いているタオさんを見守って頑張っている」と評する。

22人が接客を競い合った。審査項目は、第一印象(身だしなみ・表情)・基本のレジ接客(挨拶・言葉遣い)・商品のおすすめ(商品価値伝達)・臨機応変さ(話し方・言葉遣い)・感動度(また来たいと思う瞬間)の5項目。配点は50点満点(5項目×10点) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
22人が接客を競い合った。審査項目は、第一印象(身だしなみ・表情)・基本のレジ接客(挨拶・言葉遣い)・商品のおすすめ(商品価値伝達)・臨機応変さ(話し方・言葉遣い)・感動度(また来たいと思う瞬間)の5項目。配点は50点満点(5項目×10点)

 2位の青名畑なつみさん(名古屋富が丘北店)と3位の前田千加さん(秦野名古木店)が所属する店舗のオーナーも今回の入賞や日頃の働きぶりを称える。

 その上で、「彼女(青名畑さん)を中心に、お客様に大きな声で挨拶できるようになってきている。2位に選ばれ、我々の従業員のみならず、東海地区の見本になるように、お客様にとにかく気持ちよく帰っていただくことを目指して頑張っていきたい」(名古屋富が丘北店)「前田さんと一緒に、やはり恥ずかしくないお店にしていきたい」(秦野名古木店)とそれぞれコメントを寄せる。

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