イオンは、小型店とネットの機動力で首都圏ドミナント戦略を推進していく。
4月10日、決算説明会に臨んだ吉田昭夫社長は「首都圏については、戦略的小型店として『まいばすけっと』と『ビッグ・エー』を強化しシェア拡大を図っていく。リアルに加えて、首都圏におけるオンライン上の食のシェアを『グリーンビーンズ』で高めていく」と語る。
「まいばすけっと」の前期(2月期)営業利益は55億円増加し対前年3倍の大幅増益を記録。営業収益・営業利益・営業利益率が全て過去最高となった。
首都圏に1130店舗を構え、PB「トップバリュ」の構成比を高め存在感を高めている。
「今後、開発体制をさらに強化し出店を加速して首都圏でのシェアアップを急ぐ」という。
ハード・ディスカウントストアの「ビッグ・エー」も出店を加速。「物価高の常態化を考えると今後の成長余地はさらに大きい」とみている。
「ビッグ・エー」は現在12県に122店舗を展開。新店開発や「トッブバリュ」と連携したオリジナルディスカウント用のPBの開発を急速に進めていく。
ディスカウント業態については「スーパーマーケット型に加えて、ドラッグストア型も拡大を続けており市場規模は約7.5兆円と存在感を示している。他の業態と比較しても高い伸び率を示している」との見方を示す。
ネットスーパー「グリーンビーンズ」の会員数は直近で16万人を突破。エリア別では開設当初は千葉中心だったのが、現在は東京都内が過半を占める。会員の属性は、20・30代が今3割を超えている。
「イオンの店舗網が手薄な東京都世田谷区や神奈川県川崎市などで会員獲得が進み、イオングループの顧客基盤強化につながるものと思っている。様々なフォーマットでグループによる首都圏のOMO(オンラインとオフラインの統合)化を図りシェアアップを図っていきたい」と意欲をのぞかせる。