トラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」など物流課題の解決へ大手コンビニ3社が対応を明らかにした。
ファミリーマートは、数年前から開発・導入した配送シミュレーターで、配送コースや配送車両台数の削減を実用化してきた。23年度はさらなる実用化を進めるほか、自動車系コンサルティング会社と提携し改善活動の推進やオペレーションの見直しなども進める方針。
ファミリーマートの細見研介社長は12日、「2023年度はますます(配送シミュレーターの)実用の度合いを深めていくフェーズに入ってくる」と語った。
セブン-イレブン・ジャパンでは、ドライバーの待遇改善と納品リードタイム・配送頻度などの変更を組み合わせた対応を行う。現在、地域を変えた実証実験を実施しており、取引先とともにドライバーの賃金引上げにも着手している。
ローソンは、今年12月から順次、弁当や麺類・サンドイッチなどチルド商品と定温商品の店舗配送回数を全店で1日2回配送へと切り替える。これまで7割の店舗で行っていた1日3回配送を2回配送に一本化することで、1拠点当たりのCO2排出量25%削減を見込むほか、積載率の効率化を図りドライバーの拘束時間を短縮する。
ローソンの竹増貞信社長は13日、今年度内に全店で1日2便に切り替える決定について「品質改善が大きく進んだため」と説明した。
同社のドライ・フローズン商品については、配送ダイヤをこれまでの1パターンから2パターンに増やし、曜日ごとの物量に応じた配送車両台数を使用することで配送効率を高める。
共同配送の実証実験にも取り組む。
昨年2月、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの3社は物流センターや店舗へのチェーン横断的な共同配送の実証実験を北海道で行った。
その結果、札幌近郊の基幹センターから函館のサテライトセンターまで、1便当たり1台、275㎞、2.5時間の削減が実証された。過疎地域を含む遠隔地への配送でも、既存ルートに比べて配送時間や距離の短縮の改善効果が確認された。
ローソンでは、現在121か所あるローソン専用の配送センターを他社と共用することで汎用性を高めていく体制を推進しており、他社製品を配送する「他社協業枠」時間帯の設置を一部の取引先と検討している。