変わりゆく「百貨店」

先月、東京・池袋の東武百貨店に「ダイソー」がオープンした。6階のワンフロアを100円ショップなど系列3店が占める。近年の百貨店業界の変容を象徴する話題だ。

▼同じく電鉄系では、小田急百貨店新宿店が昨年末から営業を大幅縮小。東急渋谷本店は今春に営業終了した。京王新宿店も周辺一帯の再開発計画が進む。いずれも大型商業ビルへの建て替えを予定するが、「百貨店」としての再開はないとみられる。米投資ファンドに売却されるそごう・西武には、ヨドバシカメラの出店も取り沙汰される。

▼昔ながらの純粋な百貨店業態を保っている店舗は、いまや数えるほど。専門店テナントの集合体としての性格が強まる。専門店ゾーン化に向けて営業終了した髙島屋立川店など旧呉服屋系の百貨店も例外ではない。

▼バイヤーの目利きで厳選された商品よりも、専門店の豊富な品揃えから自分に合ったものを選びたい。たまに着飾って出かける非日常の空間から、便利に賢く買い回れる日常のお店へ。そんな生活者ニーズの変遷を映している。かつての「誰もが憧れるブランド」があった時代から、消費は様変わりした。

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