アジアの物流標準化へロードマップ策定を牽引 日本パレット協会

日本パレット協会(加納尚美会長)はこのほど都内で会見を開き、今年度上期の進捗などについて発表した。

「総合物流施策大綱」の閣議決定を経て設置された「パレット標準化推進分科会」が今年6月に公表した中間とりまとめでは、11型(1100×1100mm)のパレットが「これからパレット化を図る事業者に推奨する規格」とされた。加納会長は、この決定には拘束力はないものの「推奨サイズが一つに絞られたことは今後の標準化推進への大きな一歩」と評価。

さらに協会は10月、物流の標準化を推進するため新たに「活動推進会ENOGU(エノグ)」を設置。「協会や業界を色々に塗り変える」という意味を込めたもので、政府や業界団体などの物流効率化の取り組みをサポートする情報提供や調査、意見交換、提案などを行う。

国際的なパレット標準化については、9月に開かれたアジアパレットシステム連盟(APSF)の総会において議論。日中韓ほかアジア10か国での2030年に向けたパレット化のロードマップ策定が最大のテーマとなった。APSFは、2010年から11型と12型(1000×1200mm)を加盟国の標準パレットと定めているが、パレット化の進展具合は国ごとに異なる。

そこで、日本が率先してロードマップを作成・提供し、アジア地域全体での物流標準化を牽引。ゴールイメージは、標準化されたRTI(リターナブルな物流容器)の100%利用や循環体制の構築など。国内と加盟国間それぞれの取り組みが整理された。

今年度下期は、11月12日「パレットの日」の前日11日に、物流関係者のみならず一般にも物流パレットなどの周知を図るべく、ウェブ講演などの企画を進めている。