「CHUMS(チャムス)」オリジナルグッズで販促 「十六茶」おいしさのイメージ向上と話題発信で好調

 アサヒ飲料のブレンド茶ブランド「十六茶」が好調に推移している。2021年販売実績は前年比3%増の2220万ケースを記録。インテージSCIブレンド茶市場21年1月~12月購買本数シェアではトップとなった。

 取材に応じた星野浩孝マーケティング本部マーケティング二部お茶・水グループグループリーダーは、昨年の好調要因について「1つ目は昨年行った大幅リニューアルで『十六茶』に対する興味関心が獲得でき、おいしさのイメージが向上した。“『十六茶』はおいしい”というイメージが浸透しつつある。2つ目はアウトドアファッションブランド『CHUMS(チャムス)』とのプロモーション施策が奏功した」と説明する。

 今年は、昨年の勢いを加速するためさらなる大幅リニューアルを実施。コロナ前の19年とほぼ同レベルとなる2%増の2270万ケースを計画に掲げる。

売場に並ぶ「十六茶」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
売場に並ぶ「十六茶」

 今回のリニューアルでは、容器を大刷新。「『十六茶』は物凄くこだわった高品質なお茶であることを容器で表現した」とし、薬瓶や洋酒瓶をモチーフとした新ボトルを採用した。

 ラベルにも「特製ブレンド」のロゴを大きく象徴的に記載し「厳選した16素材」「素材ごとの焙煎」「均一なブレンド」などブレンド茶ならではの“こだわり”を表している。

 中味は十六素材の原料はそのままに、配合比率を見直して“”香ばしく、後味すっきり”の味わいをさらに磨きをかけた。
 リニューアル品は3月8日に発売され、1-4月販売実績は3%増の609万ケースと好スタートを切る。

コミュニケーションは、新垣結衣さんを継続起用し、リニューアル発売時から放映しているTVCMでは「十六茶」が素材や製法へのこだわりがいっぱい詰まった特製ブレンドで作られているお茶であることを、新垣さんと少年の仲睦まじい掛け合いとともに紹介している。

新垣結衣さんを継続起用したTVCM - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
新垣結衣さんを継続起用したTVCM

 「今年は『十六茶』のこだわりにフォーカスしてコミュニケーションしていく。『十六茶』は十六素材だけではなく、3種類のハトムギをそれぞれローストしているなど、たくさんのこだわりが詰まったお茶なのだが、そのことが全く知られていないことから訴求強化していく」考えだ。

 昨年に引き続き話題発信にも取り組む。

 3月から4月にかけては「CHUMS(チャムス)」オリジナルグッズが当たる第1弾キャンペーンを展開。第2弾は対象商品を広げて6月7日から応募受付開始予定で実施していく。

アサヒ飲料の星野浩孝マーケティング本部マーケティング二部お茶・水グループグループリーダー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
アサヒ飲料の星野浩孝マーケティング本部マーケティング二部お茶・水グループグループリーダー

 加えて6月には広告キャラクターの新垣結衣さんつながりで明治「チョコレート効果」とのコラボを展開していく。「新垣結衣さんを象徴的なアテンションにクロスMDみたいなことを考えている」という。

 派生商品には話題化の狙いもある。
 「無糖茶市場は話題をつくって生活者に気づいていただくことが重要で、ラインエクステンション品は『十六茶』を主語にした話題化も目的の1つと位置付けている」。

 派生商品は、3月8日にリニューアル発売した「十六茶麦茶」に加えて6月7日に「十六茶ミネラル」を新発売する。

 「十六茶麦茶」は、麦茶に求められている香ばしさを、ブレンドならではの方法で強化。 香ばし素材として深煎り大麦・炒り米・焙煎とうもろこしを配合し、さらに三種類の焙煎方法(直火焙煎・熱風焙煎・砂煎り焙煎)を使い分けることで、香ばしさ際立つおいしさを実現した。

「十六茶ミネラル」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「十六茶ミネラル」

 一方、新商品の「十六茶ミネラル」は発汗時などの水分補給に加えミネラルも一緒に補給ができるもので熱中症対策飲料として訴求していく。

 環境対応としては、容器素材は引き続き環境配慮素材(PET再生樹脂・バイオマス素材樹脂)を使用した環境にやさしいボトルを採用している。

 ラベルは現行品より薄くし短くすることで1本あたりのCO2排出量が約72%削減され、年間のCO2排出量は約1500トン削減される見込みとなる。

 6月7日には、店頭で630mlPETの肩部にタックシール(シンプルecoラベル)を貼付したラベルレス商品の単品販売を開始する。

タックシール(シンプルecoラベル)を貼付したラベルレス商品 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
タックシール(シンプルecoラベル)を貼付したラベルレス商品

 なお同社は昨年12月、ペットボトル(PET)に商品名などを直接印字した「十六茶」のラベルレス商品をAmazon.co.jp限定・1200ケースの数量限定でテスト販売した。

 同商品は、リコーのレーザーマーキング技術を導入して、これまでタックシールやネックリンガーなどに記載していた商品名・原材料名・問い合わせ先・リサイクルマークの必要情報を直接印字したもの。

 レーザーマーキング技術は、PETのごく表面のみに加工を施すことで描画する技術で、インクなどの不純物がなく、リサイクル性を低下させずに必要な情報を表現することが可能。

 この技術を活用することで「従来のラベルレス商品で表示に使用していたタックシールやネックリンガーなどを使用しない、さらにエコでラクな完全ラベルレス化を実現することが可能となる」(アサヒ飲料)という。