サントリー食品インターナショナルの「ボス」ブランドの傘で2017年から展開している「クラフトボス」シリーズの21年販売数量が過去最高を記録し4000万ケースの大台を突破した。
「クラフトボス」が牽引役となり「ボス」全体の21年販売実績は前年比1%増の1億590万ケースとなり再成長軌道に乗せることができた。「ボス」は20年、コロナの影響で28年目にして初の前年割れとなった。
「クラフトボス」の昨年の成長には、コーヒー1割増と紅茶3割増に加えて、8月に新発売して7000万本(1ケース24本入換算で約291万ケース)を販売した「抹茶ラテ」が貢献した。
特にボリュームゾーンのコーヒーの貢献が大きく、これには昨年のフルリニューアルが奏功した。
昨年、コーヒー3品の中味と容器を大刷新した中で一番のポイントとなったのは、新たに「ボコボコボトル」を採用して“見た目からおいしい”を追求した点。
これに注ぎたてのクリアな味わいに改良した中味も手伝い、“こだわりがありながら親しみやすい”と好評を博したという。
今年はこの点に磨きをかけるべく、音楽をテーマに掲げコーヒー3品を再びリニューアルする。
中味は「ラテ」のみ刷新して香りを強化する。
パッケージには、3品にQRコードを読み込むと音楽が聴ける新ラベルを導入する。
「ブラック」「ラテ」「微糖」のコーヒー各種にJAZZ・ROCK・CHILL・POPの4種類のラベルを用意するほか、コンビニ・交通チャネルでステッカーラベルの「ブラック」と「ラテ」計8品を数量限定発売し、トータルで20種類のラベルをラインアップする。
リニューアルに伴い「クラフトボス×音楽」をテーマにしたTVCMやプロモーションを含めたマーケティング活動を展開していく。
3月4日発表した柳井慎一郎常務執行役員SBFジャパンブランド開発事業部長は「『クラフトボス』のコーヒーが気分転換やスイッチのオン・オフに役立つ音楽のようになれたらいいという思いを込めてマーケティング活動を展開していく」と語る。
「ボス」全体では、ブランド誕生30周年を迎える秋以降にマーケティング活動を本格化する。
そこに向けた春夏の戦略としては「コーヒー飲料の可能性を拡げ続ける」をテーマに掲げ、前述の音楽のアプローチに加えて、ラテとブラックの切り口で新提案する。
テーマには「コーヒーをあまり堅苦しく捉えず時代や人の変化に応じて広げていきたい。ただし働く人の相棒としてはコーヒーだけではカバーできない部分があり、コーヒー飲料に限らずパッケージ飲料の可能性を少しでも広げていくという意味」を含ませている。