イオン九州とマックスバリュ九州(以下、MV九州)は10日、経営統合に関する協議の継続を理由に、9月1日に予定していたイオンストア九州を含めた3社の経営統合を延期すると発表した。
3社の統合により、赤字が続く旧ダイエーの一部店舗を引き継いだイオンストア九州の赤字を吸収し、利益を上げる狙いだったが、イオン九州の19年2月期決算が減収減益と不本意だったことに加え、MV九州も利益が期初の業績予想を下回ったことなどから、統合の無期限延期を決断したもの。持ち株会社下に「食品事業会社」と「非食品会社」をぶら下げるスキームについても改めて見直す意向を示した。
3社の経営統合後に、イオン九州とマックスバリュ九州の2社でイオンストア九州の損失を補うという当初計画の見直しを迫られた形だが、イオン九州の柴田祐司社長は「統合に向けた協議は継続する」とした上で、「(食品事業については)当初の想定通りの売上高5千億円の実現を見込むが、衣料・住関連などの非食品事業については統合後の見通しが立っていない。しっかりと成長戦略を立てたうえで、時間をかけて協議を継続していかなければならない」とコメントした。
明暗分かれる2社 西日本豪雨も影響
10日発表されたイオン九州の2019年2月期連結業績は、営業収益3.3%減(2千243億5千4百万円)、営業利益94.2%減(5千万円)、経常利益81.2%減(2億5千9百万円)、当期純利益62.9%増(1億6千5百万円)。売上高の約88%を占めるGMS業態(48店)は、売上高1.3%減(1千818億2千3百万円)、既存店売上高97.9%。
昨年7月の西日本豪雨により、小郡店(福岡県)など主力店舗が一時休業したことに加え、暖冬の影響で冬物衣料などの売上げが伸びなかったことなどから連結営業収益は減益。
販管費を1.7%削減したものの、減収による売上総利益の減少分を補填できず大幅減益となった。当期純利益は、特別利益に受取保険金(26億2千9百万円)を計上したことによるもの。
19年度通期計画は、営業収益1.9%減(2千200億円)、営業利益は前期比約6倍(3億円)、経常利益35%増(3億5千万円)、当期純利益20.9%増(2億円)を見込む。
一方、マックスバリュ九州は、売上高1.3%増(1千774億9千9百万円)、営業利益12.2%増(24億8百万円)、経常利益12%増(24億3千1百万円)、当期純利益18.8%増(10億7千万円)。
増収は、既存店売上高が100.5%だったこと、6店舗を出店したことが寄与。販管費は2.3%増加したものの、増収と粗利益率の改善で吸収し増益につなげた。粗利益率(23.8%)は0.3ポイント改善させている。
19年度通期計画は、売上高3.7%増(1千840億円)、営業利益5.9%増(25億5千万円)、経常利益4.9%増(25億5千万円)、当期純利益2.8%増(11億円)を見込む。