ビール類 4月から値上げも影響軽微 新商品続々、市場にぎわう

ビール類 4月から値上げも影響軽微 新商品続々、市場にぎわう

大手4社による4月からの一斉値上げで、需要にいったんブレーキがかかったビール類やRTD(缶チューハイなど)。ただ6月までの上期トータルでは、昨年までの流れをほぼ引き継いだ数字で折り返している。

10日に開示された各社の実績は別表の通り。3月の値上げ前仮需、4月の反動減ともプラスマイナス3割前後の変動があったものの、今のところ値上げによる大きな需要の落ち込みはみられない。

ビール類では、開示実績が金額ベースの2社、数量ベースの2社とも上期累計では前年並みか若干のマイナスにとどまった。市場全体で3%程度のマイナスとなった昨年の基調が続いているとみられる。

市場の底堅さを支えたのは狭義ビール。なかでも“黒白対決”が活性化に一役買った。4月15日に相次ぎ発売された「アサヒ ザ・ビタリスト」と「キリン一番搾り ホワイトビール」。味わいとともに、黒と白を基調としたパッケージが対照的。売場では対決企画の演出も行われ、ユーザーの関心を煽った。

「ザ・ビタリスト」は発売2か月で年間目標の5割を突破し、6月末時点で112万ケースと爆速スタート。「ホワイトビール」も年間目標の6割に達する125万ケースと絶好調だ。

サッポロ「黒ラベル」は上期104%と、体験イベントを通じた顧客接点拡大から好調を持続。「サントリー生ビール」「パーフェクトサントリービール」も快走を続ける。

もう一つの成長カテゴリーであるRTDも、各社の新商品攻勢を背景に依然として活況をみせる。消費への冷や水が懸念された一斉値上げだったが、これまでのところ影響は軽微。ひとまず無事通過したといえそうだ。

各社の1-6月実績
各社の1-6月実績