大塚製薬は「オロナミンCドリンク」(以下、オロナミンC)の「One Action(ワンアクション)」施策を継続・強化し、1965年の発売開始以来培われてきた「元気ハツラツ!」のブランド価値に新たな価値を付加していく。
「ワンアクション」とは、身近な人に“感謝”や“労い”、“応援”の気持ちと共に「オロナミンC」を手渡すことで、元気の輪を広げる活動。2022年からスタートした。
熊取谷(くまとりや)直毅ニュートラシューティカルズ事業部 製品部 オロナミンCプロダクトマーケティングマネージャーは「『オロナミンC』の“子どもから大人まで誰でも美味しく飲んでいただける炭酸栄養ドリンク”という独自価値はそのままに、“誰かを元気にするコミュニケーションツール”であることを伝えていく。誰かを元気にしたいときに『オロナミンC』というイメージが浸透すれば、『元気ハツラツ!』が新たなかたちで広がっていく可能性がある」と力を込める。
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「ワンアクション」については「ブランドをもう一度思い出していただき、気づいていただくための重要な取り組みの一つでもあると考えている。リアル・デジタルの両方で強化していきたい」と意欲をのぞかせる。
ターゲットは20代に一層フォーカスしていく。「オロナミンC」は今年で発売60周年を迎えるロングセラーブランドであり、幅広い世代に飲用されているが、さらなる成長のためには若い世代の飲用促進が欠かせない。
「20代が接触する媒体を上手く活用していきたい。デジタルだけではなく、リアルでも体験していただけるような施策も計画している」と語る。
昨年は、入社式で「ワンアクション」が行われ、働き始める20代前半にアプローチした。
「当社だけでなく、他社でも入社式で『ワンアクション』が行われた。経営者や人事の方から『オロナミンC』が手渡されることで、“これからよろしくお願いします”という気持ちが伝わり、新入社員の方からは、『右も左も分からずに不安な中、元気が出ました』や『これから頑張ろうという気持ちになりました』などといったお声をいただいた」と振り返る。
若年層へのアプロ―チは、人とコミュニケーションを取ることで得られる充実感やウェルビーイングなどもポイントになりそうだ。
熊取谷氏は「対面のコミュニケーションが以前よりも希薄になり、ウェルビーイングが求められる世の中で、人や社会とのつながりが求められていると考えられる。気持ちの面からも元気になれるブランドとして、人とのつながりを応援したい」と意欲を示す。
昨年秋、内定式のシーズンに合わせて9月25日に公開したオリジナルアニメ「社会人用語は突然に」は反響も大きかった。
アニメは、先輩社員と後輩社員(若者)とのコミカルな掛け合いで若者に馴染みのないとされる“アゴアシつき”や“テレコ”といった社会人用語をわかりやすく伝える内容。
「単に社会人用語を伝えたいのではなく、若い世代の方に、社会人用語をフックに、上の世代とのコミュニケーションを図ること、先輩から後輩へオロナミンCを手渡すことで、お互いのつながりをより深めていただきたいというのが狙い」と説明する。
このように若年層の取り込みに注力しつつ、「ワンアクション」の活動については、全世代を対象に継続の構え。
昨年7月3日の「オロナミンCの日」には、社員が日頃からお世話になっている得意先に「オロナミンC」を届ける「ワンアクション」を実施して好評を博したことから今年も継続の見通し。
昨年は全国12支店の社員が一丸となって、得意先に冷やした「オロナミンC」を持参し、感謝の気持ちを添えて全国各地360か所以上で計約10万本を手渡した。
「朝の通勤時間やお昼の休憩時間などに手渡した。私も支店の応援に入り、百貨店のバックヤードで朝の出社時に従業員の皆さんに手渡したところ、すごく笑顔になってくださり、渡した私が逆に元気をいただいた」と振り返る。
昨年は、運動会を終えた子どもたちに先生からサプライズで「オロナミンC」を手渡す「ワンアクション」を強化。人数や実施場所を増やして行い、次世代ユーザーの育成にも取り組んだ。
年間を通しては、こどもの日、母の日、父の日、敬老の日といった家族にまつわる記念日に「ワンアクション」の実践を提案する「家族みんなに元気ハツラツ!キャンペーン2024」を開催し、家族での「ワンアクション」を促した。
2024年の「オロナミンC」販売数量は前年比1%増の858万ケースで着地した。
「どの販売チャネルも単品購入が好調だった。購入して下さる人数が増えたのもいい傾向。ボリュームゾーンである家族世帯の10本パックの購入が増えたことも寄与した」と総括する。
直近では、昨年11月の価格改定の影響で若干の落ち込みがみられるものの、22年11月の価格改定ほどのマイナス幅ではなく回復基調にあるという。
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