「ばかうけ」発売35周年 米菓で若年層の取り込み加速 ハリウッドザコシショウ起用し新CMと渋谷でのサンプリング 栗山米菓

 栗山米菓は米菓ブランド「ばかうけ」でハリウッドザコシショウさんを起用した新CMを公開するなどして若年層の取り込みを加速させる。

 「ばかうけ」が今年12月に発売35周年を迎えることを記念した動き。

 35周年の目玉施策として、8月19日、新CM「ばかすばらしい人生を。」を全7篇公開したほか、東京・渋谷でハリウッドザコシショウさんをイメージした限定パッケージの「ばかうけ」(非売品)を5000袋サンプリングした。

 サンプリングに先立ち都内で開催された発表会で取材に応じた栗山大河専務取締役は、今回の施策の狙いについて「メインユーザーが60代以上の米菓の中で『ばかうけ』は30・40代の方も取れているほうではあるが、20代や30代前半へのリーチがまだまだ足りない。今回、20・30代にズバッと刺さるようなことをやりたいと考えた」と説明する。

ハリウッドザコシショウさん - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ハリウッドザコシショウさん

 施策立案にあたっては、「ばかうけ」のネーミングに着目。

 「ばかうけ」の“ばか”は新潟県の方言で“すごい”という意味合いで使われている。
 「“ばか”は“ばか真面目”といった誇張表現にも使われる。親しい人とたわいのない話をしながら、ばかにふざけるような楽しい時間のそばにあるあるお菓子であってほしい」との思いを込めた。

 かねてから「ばかうけ」は固定化されたイメージが薄いことから、数々のコラボも実現。季節限定品なども含めこれまで累計300種類以上を発売。

 「『ばかうけ』のブランドを定義すべく一生懸命考えた結果、『ばかうけ』ってそんなに難しいことを考えて食べるものではないという結論になった。おいしく、楽しいブランドと思っていただくのが一番の目標だが、細かいことにこだわらず、いろいろなことを展開していく」と語る。

渋谷でのサンプリングの様子 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
渋谷でのサンプリングの様子

 この考えのもと、今回、ハリウッドザコシショウさんを起用。
 起用理由については「ばかばかしいと言っては失礼だが、ばかばかしいことをプロフェッショナルに突き詰めてやってらっしゃる。それで皆さんが笑っているというのが格好よく、『ばかうけ』もそんなブランドでありたい」と述べる。

 新CMはWEBを中心に公開。TVCMはエリア限定で放映。「新潟では8月と9月に放映し、今後もエリアを絞り込みタイミングをみて展開していきたい」という。CMの投下は2020年11月以来となる。

 渋谷でのサンプリングでは、ハリウッドザコシショウさんがネタで用いるメガネのおもちゃを模した紙製メガネをセットに道行く人に手渡し、米菓商戦の閑散期である夏場の需要を喚起していくほかSNSでの発話増加にも期待を寄せる。

 そのほか35周年施策としては、合計350人に賞品が当たるレシートで応募するプレゼントキャンペーンを8月1日から11月30日にかけて実施している。

「ばかうけ 青のりしょうゆ」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ばかうけ 青のりしょうゆ」

 「ばかうけ」の特長は独特の食感にある。

 「ソフトせんべいでもなく、堅あげげせんべいでもない、両者のちょうど間の食感を狙って作られている。ソフトせんべいのようなサクッと軽い食感がありながらもしっかり食べ応えのある食感になっている」と説明する。

 売れ筋は「青のりしょうゆ」「ごま揚しょうゆ」「ばかうけアソート」。

 栗山米菓は「Befco(べフコ)」をコーポレートブランドに掲げる。
 これは、Beika(ベイカ)Frontier(フロンティア)Company(カンパニー)の略で、「米菓という原点を大切にしながらも、自らの力で米菓の領域を超えていく躍動感あふれる企業を目指している」。

 基幹ブランドは「ばかうけ」「瀬戸しお」「星たべよ」。

 「『光黒豆もち』や『渚あられ』個人的にはもっと育てたいブランドがたくさん控えている」と意欲をのぞかせる。

新CM発表会でハリウッドザコシショウさんと“ばかばかしい”ことに挑む栗山専務 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
新CM発表会でハリウッドザコシショウさんと“ばかばかしい”ことに挑む栗山専務

 最近の手応えとしては近畿大学の学生と一緒に企画した「たぶん日本一堅くてやみつきになるあられ」を挙げる。

 「『渚あられ』と同じ中身だが、パッケージ、ネーミング、キャラクターと見せ方を変えるだけで、今まで米菓買われなかった方々にも興味を持っていただけている。米菓はクラシカルなパッケージが売場に多いこともあって、若い方が自ら購入しにくいのだと思うが、見せ方を変えるだけでも買って下さることが分かった」との手応えを得る。