森永製菓は今年、「inゼリー」ブランドのスポーティでスタイリッシュなイメージを向上させていく。
コロナ禍、体調管理ニーズの高まりに対応して「inゼリー」が拡大した反面、スポーツ時の飲用イメージが希薄化したことを受けた動きとなる。
同社で実施したブランドイメージに関する調査結果について、4月8日取材に応じた取材に応じたマーケティング本部健康マーケティング部ゼリーカテゴリーの椎原悠太氏は「『inゼリー』ブランドは本来、アスリートやスポーツをする方に飲んでいただくことが多く、スポーティなイメージがあった。ところが、コロナ禍を経て体調管理や健康へのイメージが強くなり、“体調がよくないときに飲むもの”というイメージが少し強まりすぎてしまった。その結果、ブランドに対するかっこよさというイメージが落ち込んでしまった」と説明する。
行動制限がなくなり今後高まることが予想されるスポーツ時や、身体を動かすシーンでの需要に向けて「inゼリー」のスポーティなイメージを印象付けていく。
「今年は国際的なスポーツイベントもあるため、スポーツ人口は今後確実に増えていくと考える」。
イメージ刷新の具体策として、サッカーの久保建英選手を起用し、スポーティさとスタイリッシュさをテーマにしたTVCMを4月から放映している。広告投下量は4月だけで1000GRPの投下。
TVCMに加えて、久保選手ほかサーフィンの松田詩野選手、スケートボードの中山楓奈選手を起用したWEB広告や交通広告も展開している。WEB広告は30秒と長めの尺で作成している。
CM以外でも、年間を通じてスポーティなブランドイメージの認知度を高めていく。そのための一つとして、アスリートをサポートする施設「森永製菓inトレーニングラボ」を挙げる。
「アスリートの方に飲んでいただいたりSNSで発信したりする。スポーツに『inゼリー』がいいと思っていただけるような施策を行う」と語る。スポーツシーンでのトライアルの増加を目標とする。
スポーティなイメージを牽引する商品としては、「inゼリー エネルギー」を基本に、「同 プロテイン5g」、「同 プロテイン15g」の3品を中心に押し出していく。
TVCMは、スポーツシーン以外での日常の飲用シーンに向けたバージョンも放映。櫻井翔さんを継続起用し、新生活の忙しい時期に向けて「10秒チャージ」の独自価値を訴求している。
夏には熱中症対策の訴求も強化する。夏季限定商品「エネルギーレモン」「エネルギーフローズン」を今年も展開予定。どちらも、エネルギー補給と塩分補給を同時にできるという点をアピールしていく。
「inゼリー」ブランドの昨年4月から12月のインテージSRI+の推計販売金額は、前年比8.5%増と好調。今後もさらなる伸長を期待するという。
「健康意識が高まっているため、今後も全体的に機能性のあるパウチゼリーの需要はさらに拡大する」とみる。