近畿食品流通 存在感増す域外勢力 オーケー進出で加速 「周辺店舗の脅威に」

「多店舗化が進むと価格、売り方において周辺店舗の脅威になる」と卸の幹部が指摘するのは、来年11月に関西初出店を予定するオーケーのことである。

昨年の終盤以降、関西に展開するスーパーの販売額は軒並み好調に推移している。商品の値上げがその背景にあるのは明らかだが、すべての小売業が好調なわけではない。チェーンストアにとって増収要因となった価格改定は、競争力の乏しい中小店には競合に顧客が流れる一因にもなった。地場卸の社長は「この1年で10軒以上、得意先のスーパーが廃業した」と話す。さらに物流課題と人手不足が経営不振に拍車をかけている。

一方、有力チェーンは積極的な出店を続け、ライフコーポレーションや万代、バローなどはこの1年で3店舗以上の新店を近畿圏にオープン。3年前に関西初出店を果たしたロピアも当初に比べ勢いが失速したと言われながらも8日に奈良県桜井市に出店し関西での店舗数は16店に拡大した。

来年にはオーケーが東大阪市に出店する。卸幹部は「優勝劣敗がより鮮明になるのは明らか。卸としてはどこと組むか見誤らないようにしなければならない」と本音を明かす。メーカーからは「せっかく値上げ基調にあるのに、オーケーが出店すると周辺の競合店が値段を下げ、負の循環が起きるかもしれない」と危惧する。他方で「関西人は安いものを見つけるのが好きなので、EDLP主体の店は飽きられやすいのでは」(卸)といった指摘も聞かれる。

前述のロピアのほか、トーホーストアの一部店舗を引き継いだバローホールディングスなど域外の有力小売業が存在感を強めている。オーケーの出店が勢力図をどのように変えるのか注目される。

(12月8日付本紙に「近畿流通特集」)

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