8.1 C
Tokyo
7.8 C
Osaka
2025 / 12 / 10 水曜日
ログイン
English
トップニュースパン粉 主原料引き下げも周辺コストは値上げ圧力強まる

パン粉 主原料引き下げも周辺コストは値上げ圧力強まる

輸入小麦の政府売渡価格が6期ぶりに引き下げられ、小麦を主原料とするパン粉業界は対応を迫られている。

昨年の秋は政府が麦価を据え置いたが、それ以前に高騰した分を転嫁できていないメーカーも多かった。「今度こそは値上げを」と意気込んでいた業者は「小麦が上がらなかったため説得力に欠け、値上げに応じてもらえなかった」と肩を落とした。再び引き上げられた今年の春は価格転嫁に本腰を入れた企業も多く、実現したところはそれなりに業績も回復した。

そして迎えた今秋は11.1%の引き下げに。以前のように小麦価格に合わせたスライド式であればパン粉の価格も下げなければならないが、ここまで苦心して進めてきた値上げの流れを逆流させたくないのが多くの業界関係者の本音である。

春以降、業績は回復傾向にあるとは言え、これまでのコストアップ分を十分に吸収できていない企業は多い。加えて副原料の値上げ圧力が再び強まっており、小麦の価格も来年春には上昇に転じるとの見方が強い。旭トラストフーズの金田朋宏社長は「価格の下がる方向に市場が向かっていることはないと実感している」と話す。

さらに経営者を悩ませるのが深刻さを増す人材の問題だ。西日本パン粉協同組合の小谷一夫理事長は「地方に行くほど人手不足は深刻な問題となっている」と指摘する。特に地方に点在するメーカーが多いパン粉業界では、その影響も大きい。省人化を図るための設備投資を行うにも適正利益の確保が不可欠である。

昨年、全国パン粉工業協同組合連合会の關全男理事長(当時)は「小麦粉主体ではなく、その他のコストも回収できる価格設定を業界の共通認識として持つべき」との提言を発表した。主原料以外のコストが大きく上昇したことを受けたものだが、主原料の価格が下がった今回、それをどこまで実現できるかが鍵となる。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。