カルビー「Jagabee」でムーミンと創業初のコラボ  スナックに「ノー」を突きつけてきた現権利者が納得したこれだけの理由

 カルビーは、スナックブランド「Jagabee(じゃがビー)」でフィンランド生まれのキャラクター「ムーミン」をアンバサダーに迎えて中長期的な活動を展開していく。

 カルビーが「ムーミン」とコラボするのは創業以来初。
 持続可能な社会に貢献して生活者の自然体に寄り添うブランドの価値を引き上げていくことと、「ムーミン」ファンを取り込むなどして顧客層を広げていくのが狙い。

 「じゃがビー」のメイン顧客層は20‐40代女性。代理購入よりも、自分向けのパーソナルユースが多いという。

 3日、コラボによる新プロジェクトを発表したカルビーの山口ひとみマーケティング本部スナック3部Jagabeeチームブランドマネジャーは「社会にとってもお客様にとっても、なくてはならないブランドになることで2025年までに(22年比売上高)120%の成長を目指す。『ムーミン』と『じゃがビー』は多様性と自然との共生という共通する価値観を持ち、両者のコラボでそのメッセージをより広く世の中に発信し目指す未来を具現化していきたい」と意欲をのぞかせる。

カルビーの山口ひとみマーケティング本部スナック3部Jagabeeチームブランドマネジャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
カルビーの山口ひとみマーケティング本部スナック3部Jagabeeチームブランドマネジャー

 今回、カルビーから「ムーミン」サイドに秋波を送り、北欧で忌避感が強いとされるスナックカテゴリーのハードルを乗り越え実現に至った。

 「ムーミン」の現権利者のMoomin Characters Oy Ltdの日本における代理店ライツ・アンド・ブランズの伊東久美子社長は「過去にスイーツなどとコラボさせていただいたことはあるが、スナック系は別物で、(現権利者は)長年ノーを突きつけてきた。このハードルを乗り越えられたのは、(カルビーの)企業価値と『じゃがビー』の背景である自然と共生・調和であり、もちろん根底にはカルビー様の熱意があった」と振り返る。

 一番の決め手は親和性にあり、25年までに120%の成長を目指す「じゃがビー」と25年に80周年の節目を迎える「ムーミン」の方向性が一致している点が大きかったという。

 加えて「北欧のイメージや自然を感じさせるパッケージデザインや環境に配慮したパッケージが(現権利者に)気に入られた」という。

アンバサダー認定証を授与したカルビーの網干弓子マーケティング本部スナック3部ブランドディレクター(左)と授与されたライツ・アンド・ブランズの伊東久美子社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
アンバサダー認定証を授与したカルビーの網干弓子マーケティング本部スナック3部ブランドディレクター(左)と授与されたライツ・アンド・ブランズの伊東久美子社長

 「じゃがビー」のパッケージは、パウチタイプではバイオマスPET包材を使用し、ボックスタイプではFSC認証紙パッケージを採用している。

 印刷は印刷工場でCO2排出量を従来より約30%削減した印刷方式を導入している。

 フードロス削減にも取り組み、長さが足りず商品には不向きな“かけら(小片ロス)”を集めてECで販売している。

 伊東社長は「じゃがビー」に期待することとして「相互送客もあるが、ファン層が似通っているため、一緒にお子様など新しいファンを獲得していきたい」と語る。

 この考えを反映させたのが、自然への理解、環境配慮の活動を推進する「Green Project」。

 これはプロジェクトの総称「Jagabee Happee3プロジェクト」の3本の柱の1つで、7月8日に「ムーミンバレーパーク」(埼玉県飯能市)でじゃがいも収穫体験イベントを実施する。

 ここでは「FAN&FUN Project」の一環として「じゃがビー」初のファンミーティングも同時開催する。

 「FAN&FUN 」ではそのほか、8月9日の「ムーミンの日」に合わせた企画やキャンペーンなどを予定している。

 「Pass the Happee Project」では、25年までに100万人への配布を目標とした「ムーミンバレーパーク」やショップでの商品サンプリング、小片ロスを活用した商品のコラボレーションなど予定している。

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