キリンビバレッジ、免疫市場拡大へ前進 湘南工場新ラインが本格稼働

 キリンビバレッジは、湘南工場(神奈川県寒川町)で「プラズマ乳酸菌」入り飲料を製造する新1号ラインを5月に本格稼働した。

 同ラインは「プラズマ乳酸菌」入り飲料の販売好調を受けて約100億円を投じて新設されたもので、自社製造能力を高めて免疫市場拡大への取り組みを前進させる。

 5月30日、製造工程の一部を取材した。

 新1号ラインは、旧1号ラインで製造していた100mlペットボトル(PET)製品に加えて500mlPETも対応可能な可変式の高速充填ラインで、旧ラインの1割増となる年間約4000万ケースの製造を見込む。

 最新設備の導入で、年間約24トンのプラスチック削減、年間約2800トンの温室効果ガス(GHG)排出削減を見込むなど、環境に配慮した生産体制も実現した。

 湘南工場は、PET製品40品種(23年3月時点)を製造し、キリングループ工場最大の製造数量を誇る。

 設備の老朽化や市場の容器の構成比の変化などを受け複数のラインの生産を終了し、現在は新1号ラインほか、1.5Lなど大型製品を生産する2号ライン、280~600mlまでの小型PETを製造する7号ラインの計3本のPET製造ラインが稼働している。

 容器は内製化。

 PETのもととなるプリフォームと呼ばれる試験管状の素材を製造するラインが計3本設けられている。

 この日、新商品「おいしい免疫ケア カロリーオフ」の製造工程を取材。

 製造までの流れはこうだ。

 容器は、プリフォームを自動投入装置からブロー成形機へ搬送し、ブロー成形機で、プリフォームを加熱して柔らかくしてから金型に入れ、高圧の空気を吹き込み膨らませることでつくられる。

 500mlPETで毎分900本ほどの生産能力がある。

 最大の見どころである充填ラインは、全ての工程を無菌環境下で行うことで、製品の保存性を確保している。

 PETを洗浄・殺菌後、飲料の殺菌済みの中身を充填し、最後に洗浄・殺菌済みのキャップを付けて密封する。ボトル形成から充填までの所要時間は1分弱。

 充填した製品はコンベアで包装エリアに運ばれ、アキュームと呼ばれるエリアで一時的に貯められた後、ラベリングの工程を経て箱詰めされる。

ラベル装着の工程 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ラベル装着の工程

 ラベル包材は自動投入装置が供給する。同装置の導入で約3人分相当の省力化を実現する。

 湘南工場では、免疫ケア商品群中心とした健康志向に対応した商品を安定的に製造するとともに、未来のコミュニティや持続的な環境づくりに向けて取り組んでいる。

 新たな環境への取り組みとしては、24年5月にPPA(=Power Purchase Agreement、電力購入契約)モデル導入による太陽光発電電力の活用を開始予定。

 これにより年間約560トンのGHG排出量削減を見込み、再生可能エネルギー比率は現状の26%から約13ポイント引き上げられる見通しとなっている。

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