「ウィルキンソン」缶容器でアルコール代替ニーズの開拓に挑む

 アサヒ飲料は「ウィルキンソン」ブランドから缶容器の「ウィルキンソンタンサン#sober(タグソバ―)」シリーズを立ち上げ夜を楽しくする飲料としてアルコール代替ニーズの開拓に挑んでいる。

 取材に応じた香山宏マーケティング一部無糖炭酸・果汁グループリーダーは「アルコール代替や夜のシーンというオケージョン別にみると、『タグソバ―』の定着が大きなポイントの1つになる」と語る。

 「ウィルキンソン」の既存ユーザーではない20-30代のZ世代の獲得が目的。

 昨年からの外出機会の増加や人流回復に伴い、家庭内で炭酸水の割材需要が減少する中で、家庭内需要活性化策の役割も見込んでいる。
 3月14日に「ウィルキンソンタンサン#soberレモン&ジンジャ」(350ml缶)「同アップル&トニック」(同)の2品を発売開始した。
 その初動はECで好スタートを切り「ECで2品をセット販売して好調に推移している。ECは商品特性と親和性のある販売チャネルだと捉えている」。

 店頭では、商品特性から、清涼飲料の売場とノンアルコールビールなどがあるアルコールの売場の両方のアプローチが考えられるが、欧米の若者の間で広まる“あえてお酒を飲まないことを選択する健康的なライフスタイル”を意味するソバ―キュリアス文化の創造を担う商品であることから「通常の飲料の売場での展開を進めている」。

 「タグソバ―」は昨年、ペットボトル(PET)で商品展開して間口(飲用層)を拡大したが、容器に「ウィルキンソン」定番商品と同じPETを採用していたため「通常の商品と同様の捉え方をされたり、開栓後、飲み切られず、キャップを閉めてそのまま放置されてしまう課題が浮上した」という。

 この課題を解消すべく着目したのが缶容器なる。

 調査によって、缶ビールや 缶チューハイを飲む際の飲み口のプルタブを“プシュッ”っと開ける行為は、“気分が盛り上がる”“スイッチが入る”などとポジティブな行為と捉えられていることが判明した。
 「飲んだ時の冷たさや、プルダブを開けた時の楽しくなる気持ちは缶のほうがしっかり感じられるところがあり今回の切り替えを判断した」。

 「タグソバ―」のコミュニケーションは「商品コンセプトがかなり尖っていることから、マス広告で伝えるよりも、まずはターゲットを絞り込み深く理解していただくことが大事」との見方から、主にSNSなどを活用して展開している。

 現在は「自分が熱狂できるシーンのお供」として人気ユーチューバーとタイアップした「没頭動画」を公開している。

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